応援コメント

ガス燈②」への応援コメント

  • ここまで拝見させていただきました。
    文体自体の優しさやサクサクと進む展開は、読書慣れをしていない人や、WEB小説を中心に読んでいる読者にとってはとても読みやすく感じる作品なのではないかと思いました。
    個人的な偏った感想なので、軽く聞き流していただけると幸いなのですが、物語の流れが淡々としすぎていて印象が薄く、心に残り辛かったです。
    理由としては、物語全体を通して、結果に至るまでの伏線が少なすぎて、主人公『リュウ』の性格や物語の展開に説得力がなく物語を進めているだけに映ってしまった為だと感じました。
    まず水虎と対峙しますが、妖の類であるかもと判断した場面に関して、主人公はまったくと言っていいほど驚いていませんが、初めて遭遇したとあります。この時点で主人公に人間味がない。主人公が会っていなかっただけで、世間一般には広く認知された存在であればそういうこともあるかもしれませんが、ここまでそんな表現もない。それでは主人公がどんなことにも動じない胆力を持っているのかと言えば、この後は展開をすすめるだけで、そういった主人公の特性を匂わせるような文面もない。さらに海坊主の時は、無邪気な様子を見せる海坊主に対して、それを気にもせずコンコに祝詞を要求する、狐火でもまずは斬ろうとする、少し短慮の面を強調しときながら、最後には冷静に知略で嵌めてみせる。一貫性がなく主人公の特徴付けが固まっていないため、魅力が薄く感じました。さらにまずは斬るといった性格を強調する場合でも、コンコとまともに妖退治をした後ではないのでやはり説得力が薄い。人情的に解決するストーリーを入れるにしてもまずは単純な退治をさせてからの方が、この人情系ストーリーも活きてきたと思います。
    せめて『世間ではよく見られるようだが男は初めて見た』とか、コンコに『君って妖を見ても動じないんだね』といった主人公の動じない姿に驚くといった表現でもあれば、主人公の言動にも説得力が出てくるのですが、そういった伏線として使えそうな表現も見た限りほぼなく、ひたすらに物語が進んでいく。筆者の書きたい物語の都合に合わせて登場人物が変化するようにさえ感じてしまいます。
    ガス燈①に関しては、情景描写が弱く前半の説得力が足りなく感じました。灯りがあった時は意識を向けなくてもそれほど違和感はないのですが、暗い時に人の意識がまず向くのは足元ではないでしょうか。また、狐火達が現れてからの灯りの変化を伝える意味でも地面の描写をしておくのは、明るさの差異を示すには効果的だと思われます。現状地面描写が皆無で情景が映像として浮かんでき辛く、物語の世界に入り辛いです。腰より下に視線が向いたのは人が海に落ちた時だけでした。
    とはいえ、物語も文章も躓くことなく前に前にと進んでいくので、軽快な物語が好まれる傾向が窺えるWEB小説には向いているのではないかとも思います。
    最後に今回は企画に参加していただき誠にありがとうございました。

    作者からの返信

    忌憚のないご意見ありがとうございました。
    参考にさせて頂きます。