ファンキャップなんにする?


よわよわしい

冬の陽を求めて

たどる小径


漬け物石みたいに

ずっしりとした重み


頼むからなにか喋ってくれないか

まるで地蔵を背負ってるみたいだよ


姥捨山に

母を捨てに行く


背負った母の軽さに

胸を突かれた

おまえは


オウオウオウと

獣のように啼いた

灼けるやうに

熱ひ涙が頬を伝ふ


尾根道をずっと

木霊が追ってくる


母の慰めの言葉に

おまえは身を

裂かれるような

痛みを覚える


周りでは鬼たちが

乱舞し囃し立てる


おまえのやることは

鬼の所業だ

おまえはすでに

ヒトではない

鬼なのだ


平らな石の上に

おろした母を

何度も何度も振り返る


いつの間にか

とっぷりと日が暮れている


鬼になった夜

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