6:対決! 美少年
ボス戦前のボーナスステージを終えた一行は、屋敷の主人の部屋(寝室)に向かう。
GM:「へへ……じゃあ、お通しですよ~~……」
GM:寝室に入ると、そこに待っていたのは巨大なベッドと、ひとりの少年だった。それも一目見てわかる美少年。
GM/美少年:「やあ。君たちが今日のお客さんだね」
リン:(ぺこり)
ティグリス:「御厚意に感謝致します(カーテシー)」
ジャスミン:「どうも、急な話なのに家に挙げてくださりありがとうございます」
GM/美少年:「まあ、今晩は泊っていくといいよ。一緒にいっぱい遊べそうだしね?」
リン:まもちきまもちき?
GM:していいよ
『まもちき』。大抵の場合はこのようにコンビニで売ってそうな略にしてしまうけど、正式には『魔物知識判定』である。
GM/美少年:「明日からは――――町に戻るのもいいけども、ずっとここにいてもいいんだよ?」
アイズ:「これも戯れ、あるいは運命……フフ、時の針が指すは何処なるや……」
GM/美少年:「いや、むしろ戻らないでほしいな、お姉さんたち」
リン:「私にはグレンダール様という心に決めたお方が……」NTRでは?
ティグリス:寝てないでしょ君
アムラシウス:(コロコロ……)出目が低い、18。
ジャスミン:(コロコロ……)期待値なのに基準値の差で抜かれた。17。
GM:OK、問題なくわかったよ。淫魔、男だからインキュバスだ。
アムラシウス:なるほどそっちか
GM:データ的にはサキュバス(『ML』92項)……なんだけど、ショタなので各種基準値に-1の補正をかけたものとします。HPとMPは-10ね。
ジャスミン:魔法は3種類から2つらしいですけど、どれとどれ?
GM:魔法は操霊・神聖で。信仰? なんだろうね……2.5、まだ2剣神少ないから……
アムラシウス:魅了してくるんだしアステリアとかじゃない?
GM:流石に一剣はどうなんだろう。かといって他にそれっぽいのも……まあいいや。細かいことは気にしないでいいよ、二剣の基本神聖魔法しか使わないので。
ティグリス:むむむ、強敵
ジャスミン:剣のかけらは入ってますか?
GM:んにゃ、今回はサックリ行こう。
実はこの時、だいぶプレイ時間が伸びてきており、かけら入れるのは長引くだけだな、という判断はあった。仮にも作成レベルの4つ上の敵である。
GM/ショタインキュバス:「というわけで……もう日も暮れるころだ、一緒に遊ぼうか、お姉さんたち」
ティグリス:「夜遊びですか。かくれんぼぐらいなら……」
アムラシウス:「俺も魔神に魂を売ってしまったからな」
ジャスミン:「何をのんきなことを……」
リン:(そういえば一人男性いたけど大丈夫なのかなぁ……)
GM/ショタインキュバス:「ははは、布団の中でかくれんぼ。いいね、やろうやろう。でも、その物騒なものは置いてからにしようね」
ジャスミン:「残念ですけど、そういうわけにもいきませんよ。おいたが過ぎますよ、ボク?」
ティグリス:「あ、やはり
GM/ショタインキュバス:「ああ、先にお風呂の方がよかったかな? このお屋敷だと露天になるから、初めての娘は恥ずかしがるんだけど……」
アイズ:「フフ……なれば私が奏でるとしよう、魂の嬌声を」
GM/ショタインキュバス:「……あれぇ? ねぇ、脱がないの? それ。一緒に遊ぼうよ」(ニコニコ)
リン:「お肌を見せるのは…ちょっと…」
ジャスミン:「その通りですよ、リン。こんな奴に乙女の肌を晒すものではありません」
ティグリス:「ふむ。まぁ、そろそろとぼけるのもやめておきましょうか……やや心配の残るシチュエーションではありますが」
アイズ:「戯れにも順序がある。音楽に前奏や楽章があるように……フフ、つまりはそういうことだ」
ティグリス:斧を構え「――――“幕引きの”ティグリス。この物語に幕を引きに参りました。お覚悟を」
リン:すっ……と表情が冷めて戦闘モードに切り替えていくよ
GM/ショタインキュバス:「ふ~ん……潮時か。そうかそうか。じゃあ、僕ははやくトンズラさせてもらおうかな!」
ジャスミン:「逃がすとお思いですか! リン、いきなさい!」
リン:「はい!」
GM:リン、ボールに入るの拒否ったりしてません?
リン:電光石火
GM:では戦闘、先制どうぞ。あ、修正で18ね目標値
アイズ:(コロコロ……)む、17。敏捷指輪を割らせてもらおう
リン:(コロコロ……)あらまぁ、15。
ジャスミン:(コロコロ……)わーひくいー、12。
ティグリス:これはパーティ全滅させるスカウト
GM:おっと? 先制マズい?
サキュバス相手の先制ミスはかなり致命的で、「>淫夢」で全員眠らされる可能性がある。それを見越して赤の眼鏡を配ったりしたわけだが……
リン:「うぉぉぉぉぉ!!!! 乙女の純情を何だと思っているのですか~~~~~」恩寵ください。重ねて指輪割ります。
アムラシウス:「リン、君が要だ、頼むぞ」恩寵
リン:「はい!」
GM/ショタインキュバス:OK、では先制どうぞ。あ、オーソドックスに彼我距離は10mで
本来ならば取り巻きに数体用意して距離も色々工夫するのだろうけども、気合入れた高難易度戦闘と銘を打たない限りは10m先の単体エネミーで済ませてしまう。ついで言えば、ここはお屋敷のデッカイとはいえ寝室なのでスペースに限界あるからね!
ジャスミン:【ウイングフライヤー】を前衛2人に、魔晶石5点を割って【マルチプルアクター/ジャイアントクラブ】をティグリスに、【フォッシルアブソーバー】を前衛2人に、【リダイレクトウーンズ】をリンに。ここまで補助動作。
ティグリス:おお、物凄い勢いでMPがなくなっていきますね
ジャスミン:最後に【セイクリッド・ウェポン】を前衛2人 に! (コロコロ……)
GM:こわ~
ジャスミン:つ、つかれた……
ドルイドという魔法は補助動作でばら撒ける支援があまりに豊富なので、加減なしにやるとこんな詠唱が必要となってしまう。それも回数限定を言い訳に物凄く強力な魔法も含んでいるので恐ろしいのだ。
その代表例が今使われた【マルチプルアクター/ジャイアントクラブ】。攻撃回数を一回増やすという補助動作にも関わらず破格の性能の魔法である。
アイズ:何を演奏しようか……よし、抵抗力を下げよう。【ブレイク】(コロコロ……)出目4で達成値18。
アムラシウス:うん? アイズの基準値は13じゃなかった?
アイズ:先程、はちみつを飲んだからな
ティグリス:えっ、あれ〈七色ハチミツ〉だったんですか!?
〈七色ハチミツ〉。飲んで(食べて?)から暫くの間の演奏判定に+1のボーナスを得るものだ。先程というのは、待合室でみんなが探索している時のことである。
アムラシウス:わ、わからなかった
アイズ:ごめんよ……
ジャスミン:GM~、いいの?
GM:確かに『七色』とは言ってなかったけど、まあそうだろうな~とは察してたからいいよ。
ジャスミン:了解。
GM/ショタインキュバス:さて、抵抗は……(コロコロ……)うおっ!? 11でた、27で余裕の抵抗
アイズ:ギリギリ巧奏値には届いた
ティグリス:すぐ消えるらしいのでPCは抵抗省略でいいかな?
GM:いいよ
ジャスミン:(コロコロ……)せーふ、同値抵抗。
リン:あれ、お姉様、どういうことです?
ジャスミン:私はクロースアーマーに付けたアビス強化の代償で、精神抵抗力判定に失敗すると笑い転げてしまう呪いを受けています
ティグリス:
ジャスミン:結果オーライですよ結果オーライ
アイズ:というわけで《ファストアクション》分の行動で《スキルフルプレイ》を宣言しながら【終律:蛇穴の苦鳴】。
アイズ:(コロコロ……)(コロコロ……)両方20だった。
リン:いっしょ。
GM/ショタインキュバス:抵抗は(コロコロ……)無理!
アイズ:(コロコロ……)11点。
リン:前に行って強気の魔力投げ! (コロコロ……)19。
GM/ショタインキュバス:(コロコロ……)同値回避!
ティグリス:「乙女の純情を弄ぶ邪悪な蛮族……許せませんね、リンさん。始末しましょう」恩寵飛ばすよー
リン:ありがとうございます!
GM/ショタインキュバス:ダメージカモン!
リン:(コロコロ……)27点。まだ終わりませんよ、〈踏みつけ〉!(コロコロ……)
GM/ショタインキュバス:(コロコロ……)くそっ、当たった!
リン:(コロコロ……)20点! まだまだこれから、《ファストアクション》!
GM:うわっ!?
転倒ペナルティを受けたショタインキュバスはまた投げられ17点。追い打ちの踏みつけは辛うじて回避。防護点が10あるから助かってるが、それでもかなりの大打撃である。
リン:「乙女は強くなくっちゃね」
GM:確かにこの国的にはそうだけど
ティグリス:では私ですね。参ります! 10m前進しつつ、【マッスルベアー】【キャッツアイ】、《斬り返しⅡ》で攻撃します。(コロコロ……)21。
GM/ショタインキュバス:(コロコロ……) 20。いちたりたね。
ティグリス:危ない危ない。ダメージは(コロコロ……)31点ですね。
GM:え、ちょっと待ってなに今の攻撃回数、痛い痛い痛い。置き換わった斬り返しは置き換わってない全力攻撃なんだぞ!?
ティグリス:そうなんですよね。続けて、ジャイアントクラブな追撃を致します。(コロコロ……)
GM/ショタインキュバス:(コロコロ……)無理無理、避けられない。
ティグリス:ではダメージ!(コロコロ……)26点!
GM/ショタインキュバス:普通に重たいよ
ティグリス:「幕引き、には一手足りませんでしたか。無念」
GM/ショタインキュバス:「ちょ、ちょっと、お姉さんたち、やめよう? そんな、僕はただみんなと遊ぼうと……」
ティグリス:「申し訳ない。私、女の敵は大嫌いなのです」
GM/ショタインキュバス:「そんな、僕は……っ!? いや、待て、貴様は……っ!?」(ティグリスを睨みながら)
アムラシウス:うん。残りHP4じゃ色々やるほどでもない。となると、じゃあ……【アヴェンジャー】で……(コロコロ……)
GM/ショタインキュバス:(コロコロ……)抵抗できませ~ん
アムラシウス:(コロコロ……)では14点の魔法ダメージを喰らうといい。
GM/ショタインキュバス:「そんな……おと、こ……」バタリ
GM:インキュバスは倒れた。おめでとう! 君たちの勝利だ!
リン:魔力投げは最強。
ジャスミン:ジャスティス魔力投げ
GM:いや、踏みつけもかなり効いてるからね?
ティグリス:やったぜ
アムラシウス:長く苦しい戦いだった
GM:ワンターンキルなんですが? ナーフしてかけらも入れなかったGMの温情を返して
アイズ:結末は一瞬で訪れる。走馬灯は夢の如し、いずれこのひと時さえも……
次回:この町で暮らそう、来たばかりのこの町で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます