第22記:怪夢

 嫌な夢を見た。三葉虫の化物に追いかけられる夢だ。昨日書いたダサクに登場させたモンスターが、夢の中に出現したのである。追いかけられるだけは面白くないので、なんとか反撃や逆襲を試みようとするのだが、どうもうまくいかない。

 武器も持っていないし、肝心な場面で体が動かなくなったりする。逃げる以外に対処の方法がないのである。まったく腹立たしい。夢なのだから、デビルマンでもウルトラマンでも仮面ライダーでも、好きなものに変身できて良い筈である。だが、できない。

 今書いている活劇の舞台は「迷路」だが、今度は「夢」にしたいと考えている。夢魔と戦うヒーローの物語である。実行がいつになるのか、見当もつかないが。それまで、俺の命が持ってくれるという保障もないしね。人生なんて、儚いものである。


 眼が覚めると、世界は明るくなっていた。枕辺の時計は「午前8時」を示していた。俺は台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。金曜と土曜は遊びで潰れて(潰して)しまった。必然的に、今日は「雑用消化の日」になる。ああ、面倒臭い。窓の向こうには、曇天が広がっていた。雨が降り出す前に洗濯を済ませなくてはならない。

 全ての用事をやっつけた俺は、家に戻り、熱いシャワーを浴びた。その後、愛機を起動させて、ぴよぶっくを呼び出した。NHK-FMの「特撮ソングまつり」を聴きながら、ダサクを書いた。今日は320頁を編集した。第16章も終了である。

 14・15・16と「迷路の話」が続いたが、次章は「町の話」になる。大体の筋書きは決まっているが、実際に書いてみると、全然違う方向へ転がり出すことがある。それを望んでいるようなところが俺にはあるのだが、収拾がつかなくなる恐れは否めない。

 今宵の俺はどんな夢を見るのだろうか?それは、寝てみないとわからない。邪神の眠り…ならぬ、蛮人の眠りである。たまには、素敵な夢が見たいものだ。三葉虫はもういいです。〔9月27日〕


♞この頃から「夢魔と戦うヒーロー」を書きたがっていたようである。翌年かな。ツルギマンの投稿を始めたのは。こちらも邪神同様、未完で終わった。夢の中に出現した三葉虫はいったい何を象徴しているのか?俺にはわからない。わからぬが、創作の影響だけではあるまい。実際の三葉虫は小型の生物だ。不気味な外見をしているが、体そのものはそんなに大きくはない。

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