第13記:美声

 今日は雨音で眼が覚めた。枕辺に置いた時計を確認すると、文字盤は「朝の6時」を示していた。アラームは「朝の7時」にセットしてあるのだが、やりたいことが沢山あるし、起きてしまうことにした。台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注ぐ。

 カーテンを開けると、窓越しに分厚い雨雲が見えた。雨勢は思ったより激しくはなかったが、当分止みそうもない。ラジオの天気予報を信じて、昨日の内に洗濯を済ませておいて正解であった。外出時の雨ほど鬱陶しいものはないが、在宅時はそんなに苦には感じない。淹れ立てのコーヒーを飲みながら、雨模様を眺めるのも、悪くない趣向である。


 今日は篭城に徹するつもりだった。先月から今月にかけて、ちょっと遊びが過ぎたようである。外遊びは面白いが、相応の金子がかかる。中遊びは財政難の緩和の意味も兼ねているのだ。愛機を起動させて、ぴよぶっくを呼び出し、更新作業に埋没した。ダサク2頁とダブン2頁を書く。前者は難航。後者は比較的サラサラ。


 作業の合間に、ラジオを聴いたり、1980年代のヒットソング(※『夏の終りのハーモニー』『想い出がいっぱい』『ラヴ・イズ・オーヴァー』『夢の途中』『時の流れに身をまかせ』など)を聴いたりする。

 先月だったかな、気紛れに寄った中古屋さんで「GOLD」と銘打たれたCDを発掘したのだ。500円でお釣りが来る値段だった。安い買い物だった。全17作品、珠玉の名歌集である。それにしても懐かしい。聴く度に当時の光景が脳裏に再生される(部分的だけど)。そういう不思議な効能を、歌は有している。


 土曜の午後の楽しみと云えば、しょこたんがパーソナリティ(番組内では生徒会長ということになっている)を務める『アニソン・アカデミー』(NHK-FM)である。本日のゲストは声優の小野賢章…と、云っても、小野さんの業績に関して、俺は無知に近い。黒子もハリポタも一秒も観たことがないし。だから、彼の凄さが俺にはわからない。許せ、賢章。

 我が時間は、80年代で「止まっている…」のである。黄金の円盤は回り続けている。薬師丸ひろ子が歌う『夢の途中―セーラー服と機関銃』が好きである。歌詞を覚えてみようかな。〔5月16日〕


♞80年代、ひろ子さんは角川映画のスター女優として、大いに活躍していた。最初に観た主演作品は『里見八犬伝』である。主題歌も良かった。

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