不思議な話

 旧約聖書(日本聖書協会)の士師記第十三章にて、英雄サムソンの父母の前に神の使いが現れる。その際、父親に名を尋ねられた神の使いが次のように返した。

「私の名は不思議です。どうしてあなたはそれをたずねるのですか」


 「日本語 英語 聖書№4:口語訳聖書1955」によると、この箇所の英訳は以下。


 How is it that thou askest after my name,it is wonderful?


 聖書日英対訳という本ではit is wonderfulがseeing it is secretとなっているが、和訳は変わらず「不思議」である。直訳すれば「神秘を見ること」か。

 現代の日本で「不思議ちゃん」と呼ばれている人もいるが、それに類する名づけと言えなくもない。

 敬意のあるなしのベクトルは真逆だが。


 この場合の「不思議」には、キリスト教的な意味合いが加わっているのかもしれない。

 同じく旧約聖書のイザヤ書九章の預言では、「不思議な助言者(霊妙なる議士)」と救世主の名が語られている。その箇所の英訳はWonderful,Counsellor。


 キリスト教徒は、この旧約聖書に出てくる救世主をイエス・キリストとしており、多くある彼の呼び名の一つにWonderful不思議を加えている者もいるようだ。

 そして、冒頭の話に戻すと、サムソンの父母の前に現れた神の使いをイエス・キリストに見立てている人たちもいるらしい。

 なぜなら、自らをWonderfulと名乗っているからだ。


 異教徒にはよくわからない不思議な話であり、まちがいの多そうな文章を書いてしまったが、不思議に思ってしまったら調べたくなるのが人情である。

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