第17話 東雲さんとデート編

 翌日、目覚まし通りに午前7時に目を覚まし、東雲さんとのデート準備に取りかかった。

 持っている服の中で、1番オシャレだと思うものを着て、俺は家を出た。

 待ち合わせ時刻までは、まだ2時間弱あるが、待ち合わせ場所の近くのカフェでモーニングセットでも食べながら、作戦を考えようと思っていた。

 母さんにバレないようにこっそりと家を出る。一応、置き手紙は残しておいた。

 スマホで検索して、待ち合わせ場所近くのカフェに入った。

 モーニングセットを注文して、A4用紙とペンをカバンから取り出して、作戦を考え始めた。


「さて、どうしたものか・・・・・・」


・服屋に誘う?

→スカートを勧める


・プールに行く?

→水着を着てもらう


・東雲さんに直接言う

→殴られる


 ろくな作戦が思いつかない。

 

「ダメだ。どうすればいい?」


 やっぱり、殴られる覚悟で、言うのが1番か?

 絶対に嫌われるだろうけど、まわりくどい作戦よりいい気がしてきた。

 なんて、アホなことを考えていたら時間はあっという間に過ぎて、午前10時になろうとしていた。


「やば、そろそろ行かないと」


 お金を払い、カフェを出る。

 待ち合わせ場所に向かうと、注目を浴びてる1人の女性が立っていた。

 東雲さんだ・・・・・・。

 遠目からでも分かる、その美しさはさすが『現代の絶世の美女』といった感じだった。

 水色のシースルーワンピースを着て、肩にピンク色のショルダーバックをぶら下げ、麦わら帽子を被っていた。

 いつもの制服姿とは違って、清楚な雰囲気だ。 

 それにしても、視線集めすぎじゃね?

 そう思って、東雲さんのことを見ていると目が合った。


「あ、久遠さん!こっちです!」


 東雲さんは俺に向かって手を振ってきた。

 そして、さっきまで東雲さんに集まってた視線が一斉に俺に向いた。

 うわぁ~。しんど……。東雲さんはいつもこんな視線に耐えているのか。すごいな。


「お、お待たせ」

「時間ピッタリ!」

「悪い。こういうのは、先に待っとくべきだよな」

「いいえ、大丈夫ですよ。私はそういうの気にしませんから」

「ならよかった」

「それじゃ、行きましょうか」


 東雲さんがくるっと回れ右をした。その拍子にワンピースの裾がふわっと舞い上がって東雲さんの真っ白な細い足が露になった。それが妙に色っぽくて、思わず見惚れてしまい俺はこけそうになった。

 しかもそれを東雲さんに見られて笑われてしまった。


「うふふ、なにしてるんですか?大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫」

「どうしたんですか?もしかして、私の可愛さに見惚れてましたか?」

「そうだな。その服可愛いよ」

「ありがとうございます!」


 東雲さんは嬉しそうに声を弾ませた。

 

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