ー腐れ大学生必読の書ーカレーと大学生活が奇跡の邂逅を遂げる

大学生活における食の在り方、暇の使い方に関する示唆に富んでおり、暮らし指南の書としても読み継がれて欲しい名作。何かに困っている大学生が居たらぜひ本作品を薦めてみてほしい。どんな困難もカレーが優しく包み込んでくれるだろう、と、まあ、そう思わせてくれる小説である。

カップ麺ミーム、マッシブ野分(※台風のこと)、中の上辛カレー、カツカレー攻略手順二十一手詰、、、 等、知性と諧謔に富む筆者の独特な言葉使いにも終始笑わせてもらった。

小説の舞台になっているのはかつて大阪大学箕面キャンパスに屹立していた男子寮ー向陽寮かと思われる(作中では浪速大学昇陽寮)。大学移転に伴い向陽寮は姿を消すことになったが、かつてそこを覆っていた空気感が小説という形でありありと再現されたことを元寮生として寿ぎたい。

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