田んぼを作ろう
「カザミさん達は農業をされていたんですよね。」
「ええ、本業は農業デス。田んぼと畑で稲と野菜を中心に育ててイマシタ。
まあ小さな村ですカラネ、家の建築や木工もやっていまシタガ。
もっとも我々エルフは木工魔法が得意なんですガネ。」
「じゃあ、ここでも農業を中心に村作りをして頂きましょうか。
土地はどのくらい必要ですか?」
「ヒロシ様、我々に土地をお貸し頂けるのでデスカ?」
「そうですよ。見たところ実際の就業人数は12名程度ですから、田んぼで5000平方m程度、畑で5000平方m程度あれば大丈夫ですかね。」
「それだけあれば、恐らく大丈夫ダト思いマス。」
「わかりました。足りなかったら拡張することにしましょうね。
あっそうだ、肥料とか農具はこちらで手配しますね。」
「肥料まで.... ありがとうゴザイマス。」
「大丈夫ですよ。ホームセンターの通販で買い揃えるだけですからね。」
ヒロシはその場でWEBカタログを見ながら次々と注文する。
その様子を不思議そうに見ているカザミ村長。
「あっ、品物が到着したみたいなので取りに行ってきます。」
しばらくしてドローンがマンションに到着したと連絡があったのでヒロシは購入した商品を次々とこちらに運び込んだ。
「ふうー、こんなものかな。」
大量の肥料や稲苗や様々な野菜の種や苗、鍬や鎌などを積み上げていく。
最後に運び込まれたのはトラクターや田植え機、コンバイン等の耕作に必要な機械類。
「さて必要なものも揃ったし、整地をしていくかな。ゴーレム生成!」
田んぼと畑の予定地となる場所の土をゴーレムに変換。
そこに生えていた木をそれぞれのゴーレムに運ばせ移動する。
ゴーレムが立ち上がった場所には5枚の田んぼの形に深さ2m程度の深さで窪んでいる。
「ゴーレム戻って!」
木を綺麗に積み上げたゴーレム達がそれぞれの場所に戻っていき土へと戻っていく。
エルフ達が見ている目の前であっという間に一面の森が田んぼに変わった。
「「「「アッ」」」」
唖然とするエルフ達に機械類の操作説明映像を見せることに。
発展途上国への輸出を前提に作られた映像はエルフ達にも理解できたようだ。
「これはなんと素晴らしい道具なのでしょうか!!!
こんな便利な道具を見たのでは初めてです。」
感嘆の声を上げるカザミ村長と、既にトラクターや田植え機に乗り込んで熱心に説明映像をのぞき込んでいるヤムルやシンブの姿があった。
「ヤッホー!!このトラクターって道具すごいですーーーーー。」
「うほー!!この田植え機っていうのも早いですうーーーーーー。」
水を湛えた田んぼをヤムルがトラクターで耕し、シンブが田植えしている。
横の田んぼではレンさん達が楽しそうに並んで田植えをしている。
「お母さん、楽しいね。美味しいお米出来るかなあ。」
「そうね、ピーター。ここの土は栄養豊富そうだし、きっとたくさんできるよ。」
「レンさーん、ピーターくーん、しっかりお米を作って下さいねー。」
「「ハーーーーイ!!」」
レンさん達と一緒に田植えをしている皆さんも楽しそうに作業をしているようだ。
「しかし村長、この苗は凄く大きくて元気が良さそうですねー。
わたし達が植えていた稲とは全く違う種類みたいです。」
「そうだな、たしかに茎も太くてしっかりしているな。これはたくさんの米がとれるかもな。
それにここの土も良い土だ。ふつうは山を切り開いたばかりだと根っことかが一杯で田んぼにするまでにかなり時間が掛かるはずなんだが。
こんなに綺麗で豊かな土が出来ているなんて。」
「カザミさん、いかがですか?いままで作っておられた田んぼとじゃ違いがあると思うんですが。
言って頂ければ改良しますよ。」
「いえ、ヒロシ様。こんなに綺麗で豊かな土壌は初めてデス。以前までの土地とは大違いデス。
ヒロシ様、先程田んぼを魔法で作っておられたようデスガ......」
「そうですね。土魔法でゴーレムを生成して土を掘り返したんですよ。
その時根っこまで根こそぎ取り除き、ゴーレムを元の土に戻す前にしっかり養分を吸収させたんだ。
充分な養分を蓄えたゴーレムをよく解してから元の土に戻したから、ましな土壌になっていると思いますよ。」
「ハーー。やっぱりヒロシ様は神デスネー。わたし達の常識を大きく上回ってイマスネー。」
「お母さーん。やっぱりヒロシ様は神だったんだねー。」
「そうね、ヒロシ様とミーア様はわたし達にとって本当の神様ですよ。
ピーターもしっかりと勉強と仕事をしてヒロシ様のお役に立てるように頑張るのですよ。」
「はい!お母さん。頑張ります。」
数ヶ月後、とんでもない収穫量にエルフの皆さんが驚愕と大喜びでヒロシをさらにあがめ立てたのは別のお話し。
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