黄緑

@ru274

第1話変化

私には、こめかみから黄緑色のツルが生えている。イヤ…生えてきたというか…突然朝起きたらあった。誰かの嫌がらせ?とか、家族のイタズラ?とか…イロイロ考えたけどしっくりこない。朝ごはん食べながら母さんが

「何その色!流行ってんの?」

いやいやいやいや自分の娘から黄緑色の長ーいツタが生えてんのに…色?

「はぁ??流行ってないし!!」

「フゥン。ま イイケド。呼び出しは拒否するからネ…」

…とお弁当箱を素早く包んだ。

「今日母さんパート遅くなるから、夕飯さーあ、…昨日の唐揚げとカレー温めて食べてて。」

「えぇ!そんなに遅いの?」

「父さんよりは早いわよ!」

「当然でしょ!…あっお風呂は?」

「宜しくお願い申し上げいたしますですハイ!!」

「えぇ??有料でしょうねぇ」

「…(右手を広げる)でイイ?」

「5万円!!??」

「500円!!」

もう靴を履き出す母。

「ごめんね~今日寝坊したから洗っといて!」

片手にゴミ袋持ってさっさと出掛けてしまった母。…私のこの大きな変化は、どぉって事無い?って?このツタは病気のサインじゃないよねぇ…。頭の中グールぐる。ぐぐっても出てこないし。イロイロ考えながらお皿洗って、お弁当箱カバンに入れながら友達の反応を想像する。

冷や汗が出てきた。

引っ張ってみようかなぁと思ったら、

ドクンドクンと頭痛がした。コレはやばい。繋がってる感100%だ。

中学校まで20分くらいかかる。途中幼稚園から一緒の奈津に会った。

「おっはよー麻子!ま…マコ!!」

そうそうコレが人間らしい反応だ。

「その黄緑は!な!に!」

「そんなに怖い顔で睨まないでよ!」

奈津の視線は私のこめかみから肩まである黄緑色のツタを凝視した。

「何か変な物食べた?」

「朝起きたらあった…」

「虫に刺されてトカ?」

「イヤ…痒みも痛みも無いし。」

「病院行こう…手遅れになったらどうするの!」

「大丈夫だよ、多分!知らないけど。」

「知らないって…もうしょうがないなぁ」


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