第5話 シスコン勇者と盗賊たち

「コトハは隠れて俺の援護ね」




「はい、兄さん。ごめんなさい…まだ私には覚悟がありません」




「わかってる、おれもちょい不安だしな…でも村の人が死ぬのも見たくない」




「はい、お願いします」




消え入るような声でコトハが話す、いいんだよコトハ、汚い事は俺に全部任せればいい…だから……速攻であいつらには消えてもらう!






「ふへへ、兄貴ぃ‥女がいっぱいいるぜぇ、たまんねぇよ俺」


「全くだ…ん、そこの茂みに隠れてる娘は絶品だな…あいつは俺に寄越せ、他の女はいらん」


「「「「「ひゃっほーー」」」」」




完全に俺は切れた、コトハを寄越せだと!…あたまに血が上って殺意に溢れた。




すばやく2人に矢を放つ、1人は頭に‥もう1人はお腹に刺さった…チッ、1人失敗か。




俺は身体強化をかけ全力で走り一気に瞬歩で近づき…修羅でリーダーの首を落とす、後は切るだけの簡単な作業だ。首を刎ねられた奴や、胴体から真っ二つな奴など悲惨な光景だ。




「コトハー、終わったからもうちょい離れてていいぞ~。警戒はしとくようになー」




「兄さん分かりました」




こんな所近くで見せれんからな…




「そこの旅のお方、助かりました。私はこの村の長です、本当にありがとうございました」




「いえ、お気になさらず、こいつら全員盗賊なので後の処理はお任せします」




「!、よろしいのですか、ここは貧しい村ですので助かりますが…しかしタダで貰うわけには‥」




「んー…そうですねぇ、ん?こいつの短剣は中々いいですね、解体にも料理にも良さそうだ。俺はこれだけでいいよ」




「感謝してもしきれません、本当にありがとうございました‥これは、ささやかですがお酒です。どうぞ気分晴らしに飲んでください」




ちなみにこの世界は13歳から飲める。




「ありがとう村長」




「ではおやすみなさいませ」




「兄ちゃん、ありがとな!」「どうなる事かと思ったぜ」「こんなに可愛いのに強いのね君」


「お姉さんと飲まない?」「俺達と一緒に飲もうぜ、うふふ」




色々な声があがってくる…最後の奴は無視だ無視。




「いえ、妹が待ってますので失礼します」




宿に戻り、ベッドの上でちびちびとお酒を飲んでみる。2人で。




「あんまり美味しくないねコトハ」




「だね、ビールとかワインは美味しいのかな」




「どだろーねー」




「…今日はありがとうね兄さん、次は頑張るから…」




「いいよいいよ、でもいざって時はあるから、いつかは経験しなきゃだけど…まだこの世界に来たばっかだしさ…焦らなくていいよ」




「お兄さんはいつもやさしいね…ね、ここお風呂あるし背中流してあげようか?」




「おやまたらしくない…気弱なコトハも可愛いけどねぇ…もうずっと2人きり‥嫌じゃなければね、キツイ事は任せなさい俺に」




「‥うん。少し甘えたいから膝貸して…」




「いいよ、おいで‥撫でるけど許してね」




「ふふ、いくらでもどーぞ」






…あかん、幸せすぎて鼻血出そう。なに甘えたモードのコトハちゃん、破壊力ありすぎてやばい。


あー動画に残してえ…せめて目に焼き付けてやる。髪も優しく撫で続けてやる。




でも俺は変態だが紳士でもある、弱ったコトハを落とせとか考えてはいけない。いけないのだ。




眠くなるまで膝枕は続いた、至福の時間でした。






「兄さんおはよう!昨日はありがとね。もう平気だから」




「おうおはよー、元気そうで何よりだよ」




「それで?今日はどうするのー?」




「今日はまず服屋に行って下着とかの補充してから、また雑貨屋と食料品めぐってかなぁ」




「わかったー、ヒール屋飽きたし、レベルも2になったしねぇ。服屋にGO!」




「おー何かテンション高いねコトハ」




「高いよー、たまにはデートしてあげるよぅ。手でも繋ぐかい?」




「もちろん」




「あはは、早いねー」




そうして村2日目のデートが始まった。








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今日はこれまで。

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