第15話 主人公-15


       * * *


 「それで、今度、金城中と練習試合をすることになった」高松

キャプテンのひと言で歓声が上がった。

「で、先発メンバーを決めないといけないんだけど、とりあえず、俺の案を聞いてくれないか」高松

しんと静まった中で、高松はメンバーを読み上げた。

「えー、一番センター明日、二番ショート林、三番レフト清水、四番ピッチャーサンディ、五番ライト山本、六番サード小林、七番キャッチャー池田、八番ファースト高松、九番セカンド大木。と、まぁ、こんなもんなんだが」高松

「おい、なんだよ、林が二番?」山本

「あぁ。特訓の成果を見せてもらおうと思ってそうした」高松

「はい、キャプテン」と朝夢見が手を上げた。

「あの、まだ、林君は、トレーニング中なので、試合は無理ですよ」あゆみ

「え、そうか?」高松

「それと、あたしは、レギュラーから外してもらってもいいですから」あゆみ

「いいじゃない、あゆみさん、出ても。かっ飛ばしてよ」山本

「みんなの意見で、やっぱりあゆみさんに出て欲しいということなんだ」高松

「じゃあ、あたし、一番のほうがいいな」あゆみ

「それなら、あたしが三番で」ミキ

「そうしようか。じゃあ、ショートは木村。頼む」高松

「はい」木村


 解散後、朝夢見は林に呼び寄せて言った。

「まだ、筋肉痛はひどいでしょ?」あゆみ

「え、あ、はい」林

「だから、もう少し試合は我慢してね。それから、明日から、プレイの訓練をしていきましょう」あゆみ

「はい」


           *


 久しぶりの練習試合にチームの活気は増していた。

「対外試合なんて久しぶりじゃねえか」山本

「楽しみだな」池田

「相手は強いの?」亮

「どっちでもいいよ、あたしの出番があれば」リョーコ

「大丈夫ヨ、リョーコ、守備は上手だから、きっと出られます」サンディ


 口々に騒いでいるうちに試合が始まった。

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