第17話 出版を勧められています

Q 44歳 男性 地方公務員


昨年、カクヨムで公開していた「ビダイ物語」という作品をある公募に出しました。落選したのですが、その後、自費出版しないかとB出版社から何度か連絡がありました。

自費出版なので、費用もそれなりにかかります。

私は自分に投資する資金は全く持ち合わせておらず、4人の子供たちへの今後の教育費を考えると断る判断しかありませんでした。


「ビダイ物語はとても面白い、文才もあり惹きつけられる。きっと多くの読者の心に響くはず」と、今まで文章を書いて人に褒められたことが皆無だった私は、一瞬舞い上がりました。


私は調子に乗り、ビダイ物語の内容について感想を求めると、その編集者の方はほとんど読んでいないことが判明しました。


(最初に連絡をくれた編集者さんは、感想文をくれたので少しは読んでくれたと思いますが。)


他のエッセイもカクヨムで書いてますと、話を振ると、編集者さんはカクヨムの存在を知りませんでした。


Jリーグの、とあるチームのスカウティングが、他チームの存在を知らないことあるでしょうか。


カクヨム自体、B出版社には全く相手にされないコンテンツであることを察しました。


私が応募した公募展は、記憶が確かならカクヨムの広告に上がっていたものだったので、カクヨムと繋がっていると誤解していました。


私にそれほどの文才と才能があれば、他の作品も読み、こいつはどんなもんかと品定めするのがプロなんじゃないかと思ったのですが、そういう気は全く無さそうでした。


言い方は悪いですが、何とか褒めちぎって一冊出させたいという狙いが透け透けで、ちょっと引きました。


ちなみに、昨年、自費出版された方の人数と重版に繋がった作者は何人いるのか聞いたところ、出版者は1000人、重版数については知らないとのことでした。


1000人中一人もいなかったということだと察しました。


しかも、ビダイ物語はプライバシーに関わる表現が多様されているので、もし出版したとしても、現存者からクレームがつき、即販売停止になるんじゃないかと不安が付きまといます。


結局、最後の最後でプライバシー問題で出版ができない方もいるとのこと。


編集者の方がそれほど褒めてくださるのなら、他の公募に出したらそれなりのところまで残るのか、恐る恐る聞くと、最終選考に残るには1000人に一人の確率とはっきり言い切りました。


ビダイ物語はクズ作品であると暗に言われたと実感しました。


最後に編集者さんの本音を引き出してしまいました。


私は100年後、時間とお金にゆとりがもてたらB出版社さんで出版しますと丁寧にお伝えして電話を切りました。


ビダイ物語に未来はあるのでしょうか。


A クズ作品に認定されてよかったですね。所詮、あなたの表現する世界観はゴミゴミしているのです。夢を見るのはほどほどにして、もっと現実に目を向けましょう。

それでも、諦めきれないのであれば、そこら中の公募に出してみると答えが出ると思います。

傷は浅いうちに治療すると回復も早くなりますよ。

よい思い出はよい形のままで・・・。



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