第1話③『今の世の中』と書いて、『絶望的な日常』と読む


《あと1時間。早く楽になりたい》

“楽になりたいなら、早くなればいいのに”


《★★★一緒に逝ってくれる人、募集中★★★》

“一緒じゃなきゃ駄目なのか?1人で勝手に逝けよ”


《生まれ変わって、今度こそ幸せになりたい》

“自分で逝った奴が、幸せになんてなれるもんか”


《もう、疲れちゃったよ…》


《生きてる意味って、本当にあるの?》


《死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい》



右親指が、画面から離れない。


“世の中、腐ってる”

しだいに、スマートフォンを握る要の手にも、汗がにじんでくる。



そしてある文字を残して、要はそれをポケットにしまった。




《冥福を祈ります аои》

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