そのままの君でいて

蓮珠

プロローグ

怖い、怖い、怖いんだ

いつでも仮面を被ってきた

この仮面が壊れてしまうのが怖いんだ

最早本体は俺「八雲優琉」ではなく仮面のほう


-いっそのこと捨ててしまおうか-

いや、俺にそんな勇気はない


-じゃあ代わりのものを被ればいい-

その手があったか

よし今日から俺はこの仮面を被って生きる

新しい俺になったんだ


-お前が新しくなったんじゃない

新しくなったのは仮面だ-

そんなことはどうだっていい

こんなクソみたいな毎日を少しでも変えられるなら俺はそれでいい


でも最近心がざわつくんだ

誰かがずっと俺の心をノックしてくる

「こんこんこん」

そしてそいつは扉の向こうからこう言うんだ

「僕は仮面に用はないよ

その仮面は外してきてね

君自身とお話がしたいんだ ねぇ…まさ…」

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