ポトリ・2

_______________。


「龍一、まだ大分掛かるから寝てていいわよ。」


車の運転が好きな母さんが楽し気に言った。



オレは後部座席から少し身を乗り出し


「う~ん、でも眠くないし大丈夫。

 ねぇ、圭子お祖母さん家行くの

 ひっさしぶりなんだよね?」



「そうねぇ。どんぐらいぶりかなぁ・・。

 まぁ、私の母さんのお姉さん家しね

 確か、龍一が5歳ぐらい?だったかな。

 わー、もう11年前か___。」



「へぇ~、そんな前?

 なんとなぁ~く覚えてる様な・・。

 デッカイ家だよね?庭が広くて綺麗で。」



「そう。元々は、母さんと圭子叔母さんの

 お兄さん家だったからね___。」



「お兄さん・・?」



「そうなの、幸一お祖父さんっていってね。

 お祖父さんが亡くなって、その1年後

 ぐらいかな?・・龍一が産まれたの。」



「へぇ~。

 どんな人なの、幸一お祖父さんって。」



「立派な人よ。

 男らしくてカッコよくって優しくて

 写真あるから、後で見せてもらったら?」



「うん、そうしょう。

 ・・何か、段々寒くなって来たね。」



「あっち、雪積もってるかもね。

 暖房入れようか?」



「うん。

 母さん、暖かくなり過ぎて寝ないでよ。

 安全運転で、お願いしますよ。」



「わかってるって。

 よぉぉ~しっ!飛ばすわよぉぉ~~~!!」



「ちょいちょい母さん、言ってるそばから・・。」


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