ワルキュリア・カンパニー構成員(本編)

・ファウファーレ(42~48、51、68、70~71、75、79~81、91~92話)


 冥界の住人である獣人タイプの戦士。ウィーナ隊の所属で、ウィーナの秘書官を務める管轄従者である。

 上半身は、背中に天使のような翼を携え、褐色の肌をした美女で、下半身は白銀の体毛に覆われた馬という半人半獣の体を持つ。

 上半身の至る所に呪文を模したトライバルタトゥーが刻まれており、ビキニアーマーを着用している。

 武器は長槍で、体格を活かして高い位置から繰り出される攻撃はリーチが非常に長く、相手にとっては戦い辛い。

 下半身から繰り出されるキックを主体としたケンタウロス流の格闘術を極めており、更に多くの魔法を操り、空を飛べることも相俟って死角がない。総合的な戦闘センスは極めて優れている。

 また、戦闘用の魔法の他にも、遠隔地で情報を集めてくる蝶を召還したり、変身魔法や他人の筆跡をコピーするなど、一般的に習得が難しい諜報関係の魔法もマスターしており、工作員としての手腕も一流である。

 その幹部従者にも匹敵する戦闘能力もさることながら、任務・仕事に関しても非常に優秀で、組織に入ってから異例のスピードで管轄従者にまで昇進し、幹部従者への昇格も確実視されていた。

 一方で、裏では冥民調に通じているなど、影で暗躍している節があり、ウィーナは以前から真意を探る為にチューリーに様子を探らせていた。ウィーナが力を失った時点でワルキュリア・カンパニーを早々に見限っており、ヘイト・スプリガンの事件に乗じて周到に準備していた計画を実行に移し、ウィーナの敵となった。

 計算高く権謀術数に長け、頭脳戦・心理戦・情報戦はワルキュリア・カンパニー内でも最強クラス。特に自分のイメージを悪くせずに他人を利用するのが得意であり、バングルゼ・リザルト・トリオンフ・チューリー等、多くの仲間を手玉にとり、サクスのウィーナへの執着を利用して手駒にした。また、自らの美貌で多くの男達を魅了し、オッカー・ネ・モッチーノ爆爵など、作中確認できるだけでも少なくとも五人の権力者と愛人関係にあり、冥民調や政財界との強固な繋がりや、一戦闘員では到底持ちえない程の財力を保有している。野心・向上心が強く、利己心と自己顕示欲と色欲の塊のような女だが、その本性を狡猾に隠し、表面上は人当たり良く、才色兼備な『いい子』を完璧に演じ切る。だからこそウィーナの秘書官にまで抜擢されたのだが、彼女にとってワルキュリア・カンパニーや冥民調も自身が冥界でのし上がる為の踏み台に過ぎない。

 計画の邪魔になるバングルゼ達やチューリーを闇に葬ったが、本来は自ら手を汚すことを嫌う。

 ウィーナに対しては、ある意味で非常に執着しており、自らの過去の経緯から、尊崇と憎悪、憧れと嫉妬が入り混じった複雑かつ歪んだ感情を抱いている。また、ウィーナが秘書官の自分より幹部従者達の方を頼ったり信頼感を持っているようなそぶりを見せることや、ウィーナと幹部従者が知っていて自分が知らされていないような機密案件あることを極度に嫌う。幹部従者の中でも特にロシーボを見下しており、ロシーボの方が上司で先輩であるにも関わらず、タメ口かつ命令口調で接する。


HP  400   MP  350  攻撃力  340  防御力  210  スピード 410

運動能力  370   魔力 400   魔法耐性 300   総合戦闘力  2780



・バングルゼ(42~44、46~47話)


 冥界の住人である獣人タイプの戦士で、ウィーナの部下であるレンチョー隊の管轄従者。

 身長二メートルを超える大男で、歪曲した二本の角が生える猛牛の顔と筋骨隆々の鍛え上げられた肉体を持つパワーファイター。戦闘時は巨大なバトルアックスを軽々と振り回して、その圧倒的な攻撃力で敵を叩き潰す。

 ヘイト・スプリガンの騒乱時は、レンチョーの指示によりリザルト等のメンバーと共に通常任務の処理に当たっており、その後は委員会に身を移し、民間人の保護や悪霊退治の任務に当たっていた。

 その後、ファウファーレが提示したウィーナが書いたとされる書状の内容を鵜呑みにし、リザルト・トリオンフを伴い霊鎧サリファの回収に向かうことになる。ファウファーレと洞窟を探索するが、これはバングルゼ達を排除しようと目論むファウファーレの陰謀であり、散々洞窟のトラップに誘導され、途中で出てくる魔物とは一人で戦わせられた。洞窟のボスに関してはバングルゼの方から一人で戦うことを提案し、辛くも勝利したが、それまでのダメージが蓄積し、すでに満身創痍の状態であった。

 ついにファウファーレは本性を現し、バングルゼに回復薬と称して毒薬を渡し、飲むように促す。自身の命運が尽きたことを悟ったバングルゼは毒を飲んだが、その後、後を追ってきたカネスタとゴーカクによって発見され、間一髪のところで一命を取り留めている。

 そして全身包帯だらけで、カネスタ・ゴーカクに担架で担がれた状態でファウファーレへの復讐に乗り出す。カネスタの胡散臭い奇術によって傷を回復するが、直後にファウファーレの単純な策に引っ掛かり槍で喉を貫かれて死亡した。

 部下のトリオンフには「いい人」と評され、チューリーにも「純粋」と言われている。たが、トリオンフには同時に「脳筋」とも言われており、その容姿通りに頭は悪く、単純な性格である。ファウファーレにはその部分を徹底的に突かれ、終始いいようにやられてしまった。


HP  500   MP  0  攻撃力  720  防御力  250  スピード 160

運動能力  220   魔力  50   魔法耐性 200   総合戦闘力  2100



・ケニー(50~52話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士で、ウィーナに仕える管轄従者である。

 黒い鎧を装備し、サングラスをかけ、髪形はリーゼントである。背中には「喧嘩上等」と書かれたのぼり旗を掲げている。武器は鉄パイプで、必殺技の「喧嘩上等粉砕殴打」は分厚い壁を一撃で粉々にするほどのパワーがある。

 その悪そうな風貌通り、性質の悪い人物であり、性格は非常に悪い。自分より弱く、立場の低い者には徹底して強く、ウィーナのような目上の人物には媚びへつらいやたらと忠実さをアピールする。リレー作戦でウィーナは屋敷を留守にしたが、一部非番だった従者は職場の状況がよく呑み込めておらず、とりあえず屋敷に集まってウィーナの帰りを待っていた。ケニーはその従者達の中で最高階級者であったが、肝心なときには自分では何もせず、サボッていた。

 自身の立場を笠に着て、職権乱用や責任逃れを行うため、部下からは殊更嫌われていた。部下のメクチェートが自身の判断で民間人をウィーナの屋敷に避難させたことを槍玉にあげ、徹底的に避難し、民間人から保護料金を巻き上げ、メクチェートに民間人を追い払うよう命令した。更には「いつでも自由自在に病になれる」特殊能力を使用してその件に関するメクチェートの追及を逃れ、ベットで寝ていた。

 その後、ウィーナが戻ってきたら自分が屋敷を守るよう指示をしたと申告してメクチェートの功績を奪い、メクチェートが結界を張るために自腹を切って購入した精霊石も自分が買ったと主張し、ウィーナから代金をもらっている。

 挙句の果てには、その精霊石を奪って屋敷から逃亡。結果、屋敷の結界は消滅し、門番をしていたキッカイセーを間接的に死に追いやっている。一連の騒動を利用してまんまと大もうけすることに成功した。


HP  290   MP  100  攻撃力  330  防御力  300  スピード 250

運動能力  290   魔力 200   魔法耐性 240   総合戦闘力  2000


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・リザルト(2、42~45、69~72、87、91、96話)


 冥界の住人である竜人タイプの戦士で、立場的には管轄従者と平従者の間に位置する中核従者である。作中では言及されていないが、設定上はレンチョー隊の所属。

 竜をかたどった鎧を装備した竜騎士であり、ウィーナの元に来るまで、剣術道場・冒険者ギルド・シーフギルド・槍術道場・魔術師ギルド・運送業・アサシンギルド・反政府レジスタンス・戦場ジャーナリスト・傭兵の仕事斡旋業と、実に10回も転職しており、相当に場数を踏んでいる。愛竜レッドアローに搭乗しての空中戦が得意。

 広く浅く保有している戦闘スキルや各業界への広範囲な人脈が強みで、政府に傭兵ギルド以外の仕事斡旋を法的に認めさせた実績もあり、最初から中核従者待遇でウィーナにスカウトされた。

 主君であるウィーナに対しても物怖じせずズケズケと物を言う。

 ヘイト・スプリガンの騒乱時には冥界民間軍事契約組織調整委員会に身を寄せて、市街地の悪霊退治を行っていたが、委員会の命によりファウファーレの指揮の下、ウィーナの神器である霊鎧サリファを回収しに向かうことになる。頭の切れる駆け引き上手な男で、謀反の疑いのあるファウファーレをその場で斬ることを提案するなど、苛烈な一面がある。それゆえ委員会の掌握を目論むファウファーレから排除の対象とされてしまう。

 ファウファーレが自分とトリオンフを殺そうとしていることを見抜いたが、それも既にファウファーレの知るところであり、命を奪われることは防いだものの、結局は出しぬかれた。直後、死んだと思われたバングルゼの弔いを提案したが、死体を見つけられず諦めている。

 数日後にはウィーナの屋敷にてウィーナと合流し、ファウファーレや冥民調の情報を伝えている。


HP  250   MP  150  攻撃力  250  防御力  180  スピード  170

運動能力 210   魔力 220   魔法耐性 140   総合戦闘力  1570



・トリオンフ(42~45、69~72、87、91、96話)


 冥界の住人である亜人タイプの戦士。中核従者。作中では言及されていないが、レンチョー隊の所属。

 緑色の肌を持ち、血は青い。がっしりとした体格で、全身を派手な黄色の鎧に包んでいる。武器は幅広の刀身の大剣。リザルトと組んで仕事に当たることが多い。

 やや粗野で直情的だが、反面、狡猾で抜け目のないところがあり、保身にも長ける食えない男。組織内での立ち居振る舞いが上手く、ファウファーレ・バングルゼ・リザルトと共に霊鎧サリファの回収に向かった際は、ファウファーレの陰謀に薄々感づいていながらも、主君であるウィーナがどう動くか確認が取れていないという理由で、あえて静観の立場を取っていた。その一方で、市街地の悪霊鎮圧の戦いをする傍ら、自ら政府と接触してウィーナ周辺の最新の情報を入手してくるなど、上から指示された行動のみに留まらず、見えていないところでは独自に行動していた。

 ファウファーレが自分達を排除しようとしていることを見抜き、リザルトと共に戦おうとするが、ファウファーレの方が一枚上手であり、その場を逃げられてしまう。トリオンフはウィーナの危機を察知したが、結局駆けつけるのを断念した。その後、リザルトと共に屋敷でウィーナとの再開を果たし、ファウファーレの謀叛、冥民調の企てを知らせている。

 耐久力・防御力は高いが、外見通り動きが鈍く、戦闘時は相手の攻撃がバンバン入る。剣を振ることによって強烈な威力の衝撃波を放つことができるので、自身の移動スピードが遅いという不得手をよく心得ていると言える。

 上司がいないところでは上司を呼び捨てにしているが、ウィーナだけは尊敬しているらしく、本人がいない場面でも様付けで呼ぶ。臨戦態勢でないときは鎧を脱いでおり、職場にも関わらずランニングとトランクス一丁という格好でくつろいでいた。


 HP  350   MP  100  攻撃力  230  防御力  280  スピード  60

運動能力  60   魔力 140   魔法耐性 80   総合戦闘力  1300



・フィーバ(38、46、49、51、62~67、71~72、87、91、96話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士。

 ウィーナに仕える中核従者で、幹部従者ハイムの補佐を担当していた。

 白い羽飾りを一本つけたウエスタンハットを深くかぶり、目にかかりそうな長い前髪をのぞかせた三白眼の男。薄汚れたマントに身を包み、手には弓を、背中には多くの矢を携え、腰には細身のサーベルを納めた鞘を下げている。

 ウィーナが委員会へ向かうのに独りとなってしまうので、道中の供の者にするためハイムが連れてきた。

 数多くいる中核従者の中では最も仕事ができない部類に入る人物。人の話を全然聞かない男で、上司の方で一から十まで丁寧に指示しておかないと、全く的外れな行動を取り、味方に大きな損害をもたらすことが多い。登場時は、自分の置かれている状況をまるで他人事のように全然把握していなかった。また、肉弾戦タイプのエイカンを後列にやり、弓を扱う自分自身が前面に立つなど、理解に苦しむ行動を取る。

 ウィーナを脱出させるためにダンジョン脱出用アイテムの「エスケープクリスタル」を自分で購入していたのに、それを忘れてしまい、徒歩で脱出しようとした。また、敵兵士達に囲まれて、戦う前から完全にパニック状態に陥ってしまい、ウィーナやハイムに泣きついた。挙句の果てには、前述したエスケープクリスタルの誤作動で自分一人だけ城から脱出してしまった。要するにこいつ、ハッキリ言ってバカなのである。

 非常に短時間の間に巻き起こした失態の数々は、相当程度部下の失敗に対して寛容、無頓着なウィーナをして、心の中で「駄目だこいつ」と思わしめた。

 後にウィーナは、彼が一度能力の無さから平従者に降格し、時期を経て再び中核従者に昇格し直したことを回想している。

 その後、冥王軍の弓兵部隊に紛れていたところをウィーナが発見し合流、エイカンと共に屋敷まで彼女を護衛する。サクスの襲撃時、ウィーナは聖剣ジークを弓矢に変化させてフィーバに託した。フィーバは自分が的を外すことはあり得ないと豪語。その宣言通り、一瞬の隙を突いて見事サクスの胸を貫いた。

 サクスを撃退した後、シュロンが復活しているらしいことを知って恐怖し屋敷から逃走したが、数日後にはウィーナの屋敷に舞い戻り、上司のハイムに付き添われウィーナに頭を下げている。


HP  120   MP 120  攻撃力  160  防御力  160  スピード  240

運動能力 200   魔力 100   魔法耐性 100   総合戦闘力  1200



・チューリー(42、48~49、51話)


 冥界の住人である妖魔タイプの諜報員。前髪を真っ直ぐに切りそろえ、眼鏡をかけた女性。表向きはマネジメントライデンのメイドをしている。便宜的には中核従者の位置付けだが、実際は組織に籍を置かず、マネジメントライデンや冥界民間軍事契約組織調整委員会に身を置いて情報を収集しウィーナに伝えていたスパイである。

 その正体はウィーナとごく一部の幹部従者しか知らない影の存在だった。実は委員会やマネジメントライデンにもワルキュリアカンパニーの内情を密通しているトリプルスパイだったが、長期的なスパンで見るとそのリスクを埋め合わせるだけの有利な情報をもたらすので、ウィーナは見抜いていながら黙認しており、チューリーもそれを知っていながらスパイをしていた。

 トリプルスパイという非常に繊細な責務を長い間こなしており、委員会の追手を一切の情け容赦なく瞬殺するなど、邪魔者の処理も迅速でためらいがない。諜報員としてはかなり優秀な人物であり、ウィーナからは相当の信頼を受けていた。

 ヘイト・スプリガンの騒乱の以前から委員会で秘密裏に暗躍するファウファーレのことを危険視しており、ウィーナに度々情報を送っていたが、ファウファーレがバングルゼ達を排除しようと目論んでいることを婉曲にバングルゼ本人に伝えてしまったことがきっかけで、ファウファーレに自らが内通者と特定される。その後はファウファーレに半ば泳がされている状態となり、直前に送ったウィーナへの手紙(委員会に身を寄せたウィーナの部下のリスト)も途中で握りつぶされ、逆に自身への心理的動揺に利用されることとなる。

 ファウファーレの謀反の物的証拠をつかむべく、混乱に乗じて彼女の部屋に侵入しウィーナが書いたとされる『霊鎧サリファ回収の書状』を発見する。チューリーはそれが偽造文書だと踏んでいたが、ウィーナ本人の筆跡だったため、ファウファーレの暗躍はウィーナの意志だったという可能性の出現に困惑する(実際はファウファーレが魔法で筆跡をコピーしていた)。

 その後、仲間達がファウファーレに立て続けに殺されていくのを目撃し、ウィーナ本人に接触して直接彼女の意志を問いただす決意をし、単身委員会を脱出。

 委員会最強の戦士レディコマンドーを初めとする委員会の追手がチューリーを追い詰めていく。万事休すとなり、一旦は自害を試みるがジョブゼの助けもあり、ついにウィーナと再会する。しかし、そのウィーナはファウファーレが変身したものであった。それを知らぬチューリーは偽りの残酷な事実を突き付けられ、失意と絶望により錯乱してしまい、その直後ファウファーレの槍で胸を貫かれ、自身から冷血が流れ出ているという妄想に怯えながら死亡した。

 漆黒のコートに身を包み、全身のいたるところに殺人暗器を忍ばせており、戦闘時は高度な技術で器具を駆使する。


HP  180   MP 150  攻撃力  210  防御力  120  スピード  340

運動能力 220   魔力 250   魔法耐性 180   総合戦闘力  1650



・カネスタ(46~48話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士。ウィーナに仕える中核従者。作中では言及されていないが、レンチョー隊の所属。

 やたらと大仰で芝居がかったセリフ回しが特徴的。

 タキシードにシルクハットという風貌通りに、S.T.A.B(スタイリッシュトリックアクションバトル)を志向する男で、戦闘では法呪錬成したトランプやタロットを初め、様々な奇術を披露して敵の意表を突く戦いを繰り広げる。

 冥民調に身を寄せていたウィーナの部下の一人。バングルゼの補佐を務めていた人物だが、同僚のトリオンフからは「補佐ができていない」と酷評されている。

 見た目とは裏腹に相当な武闘派で、ファウファーレに謀殺されかかっていたバングルゼを偶然発見し、救助したことで、復讐の為に満身創痍のバングルゼと部下のゴーカクを伴って委員会に無謀極まりない殴り込みをかけた。

 結果、ファウファーレの手によってバングルゼとゴーカクは続けざまに殺されてしまい、怒りに燃えるカネスタは数々の奇術を披露し、挙句の果てにはウンコまで持ち出して戦うが、自滅とも言えるやられ方で敗北する。

 カネスタは必死に命乞いを行うが、ファウファーレに屈辱的な要求をされたので、それを突っぱね、殺されることを選択した。

 頭のネジが何本も外れているような間抜けぶりで、計画性や定見のない行動や言動が目立つ、人格的に破綻した人物であった。彼が起こしたゴーカクと満身創痍のバングルゼのたった三人で冥民調本部に真正面から報復に乗り出すというおよそ正気とは思えない無謀な行為は、これまで完璧に事を運んでいたファウファーレの計画を狂わせるきっかけとなる。

 目に見えないボールを十個までジャグリングする驚異のテクニックを持っており、九個に抑えればジャグリングしながら自由に動き回ることが可能。タロット占いも行うが、腕は最悪。


HP  190   MP 170  攻撃力  70  防御力  140  スピード  200

運動能力 150   魔力 280   魔法耐性 110   総合戦闘力  1310



・メクチェート(50、63~69、72、87、91、96話)


 冥界の住人である植物タイプの魔道士。ウィーナに仕える中核従者である。

 植物の葉のような赤い頭髪を持ち、肌は緑色をしている。腕部の皮膚は、蓮の花の花托かたくのような無数のブツブツで覆われている。体内には共生関係にある無数のうじひるを飼っており、腕の穴から生やした触手の内部を伝わせ、敵の体内に寄生させることも可能。

 両肩の装甲に水晶玉が装着されている鎧を着用しており、呪文の刻まれた長い杖を持つ。

 両肩の水晶玉は魔力アップの補助効果があるが、重いために肩がこる。

 回復・援護魔法に特化したスペシャリストであり、実戦における連射・速射を信条としている。ほぼゼロ詠唱で味方全体に広範囲の回復魔法をかける実力を持つ。

 各種回復・治癒魔法、『聖光防御』に代表される補助魔法の他には、特に植物属性・地属性の魔法を得意としており、攻撃魔法も充実している。また、精霊石の補助さえあればウィーナの屋敷全体をすっぽり結界で覆うこともできる。

 パーティーに組み込むことで仲間の生存率は大幅に増加するが、メクチェートのポテンシャルを完全に生かすには、前衛の護衛が不可欠となる。

 温厚で落ち着いた人物。組織内の調整役的な立場にあり、上司と部下の板挟みで苦悩することが多い。作中でも、結界を張った手柄をケニーに奪われたり、必要経費を自腹で払う羽目になったりなど、散々な目に会っている。一方、どんな圧倒的な相手に対しても振りかかる火の粉には敢然と立ち向かう気骨ある一面も持つ。

 ヘイト・スプリガン事件の際には非番だったので、状況を把握できておらず、とりあえずウィーナの屋敷で待機し、防御策として屋敷に結界を張った。正義感から悪霊に襲われている民間人達を屋敷で保護したが、その判断をめぐって上司のケニーと対立した。結局メクチェートが折れて民間人は冥王軍に引き渡すことになっている。引き渡しが終わった後はハッシャーと共に屋敷に戻り、サクスと戦うウィーナ達に加勢。数々の魔法を駆使して戦力として貢献し、サクスを追い払うことに辛くも成功している。


HP 160   MP 350  攻撃力  60  防御力  220  スピード  190

運動能力  90   魔力 430   魔法耐性 300   総合戦闘力  1800



・アンヴォス(75~77話)


 冥界の住人である水棲+霊体タイプの戦士。ウィーナに仕える中核従者であり、ウィーナの部下としては本編の時系列上で最後に登場するキャラとなる。

 青い髪に白い肌を持つ、吟遊詩人風の出で立ちをした剣士で、腰には大小二本の鞘を提げている。

 顔や手足以外の、腕部・脚部・胴体は青い硬質な鱗で覆われており、袖が下がった時などにその様子を確認できる。

 現実世界と人の心に存在する精神世界、その両方を渡り歩くことができる種族であり、幽体離脱することで人の深層心理に入り込むことができ、対面することで相手の本心を見透かす能力を持っている。

 彼自身は元々好戦的な性格ではなく、相手の悪しき心を斬ることで勝負をつけることを信条としている。

 委員会に身を寄せていたウィーナの部下の一人。元々はウィーナ隊のファウファーレの直属で、バングルゼ達とは行動を共にしていなかったこともあり、粛清の対象からは外れていた。

 ファウファーレの本心に触れることで彼女の裏の顔を知っていたが、以前、ファウファーレに任務中に命を救われたことがあった。アンヴォスはその恩義と彼女に向ける好意から、彼女の心の中に侵入し、リアルに傾倒する彼女の心を救い出し、共に逃げようとする。

 しかし、ファウファーレに拒まれてしまったことで、アンヴォスは自らの手でファウファーレの悪しき心を斬ろうと戦いを挑んだが、彼女は自身の精神的強さでアンヴォスの精神的干渉をはねのけてしまう。

 幽体離脱状態から戻った後、ビギナズと共に冥民調主催の戦死者追悼式に参加し、そこで鎮魂の詩を演奏する。その後、ビギナズに演奏の報酬と所持している名剣「ストテラ7号」を渡し、代わりにビギナズの剣を貰い受け、一連の事件の黒幕・リアルに会いに行く。

 そして、リアルから全ての真相を聞いた後、勝てないことを承知の上で、ビギナズの剣を抜き戦いを挑むが、一刀の下に斬り捨てられ玉砕した。

 長剣のストテラ7号は、一般には出回らない冥界屈指の名剣であり、以前とある任務を達成させた際にウィーナから特別に賜ったものである。短い鞘に収められた短剣は刀身が笛になっており、奏でることで相手の心から様々な記憶を呼び起こす。

 表面上は薄情な拝金主義者を演じているが、実際は仲間思いで、戦士としての誇りも強い。それゆえ、ファウファーレが仲間を手にかけていく様子を側で見ていて何もできない自分自身に対して怒りを覚えており、仲間の死を心から悼んでいたビギナズに感謝し、ウィーナから賜った大切な剣を託したのである。


HP 210  MP 170  攻撃力 180  防御力 150  スピード 190

運動能力 200  魔力 220  魔法耐性 180  総合戦闘力  1500


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・ロジック(2話)


 冥界の住人である亜人タイプの戦士。

 ウィーナに仕える平従者である。

 悪人面で、眼帯をつけた隻眼の男。

 肌は灰色をしている。

 ウィーナが握力大魔王を倒した祝賀会で、酒に酔った勢いでウィーナに対して給料が低いと不満をぶつけ、青竜刀を振り回して暴れたがウィーナの魔法を受けて気を失いラプリンの手によって医務室へ運ばれた。

 挙句の果てに、朦朧とした意識の中ラプリンにセクハラ行為を行い、彼女から鉄拳制裁を受けた。

 かなり粗暴で素行が荒い割には実力的にパッとせず、後に登場するショウリーやカッチより戦闘能力は数段劣り、組織の中では評価の低い従者である。

 意味ありげに名有りで登場したが、第2話のみの登場で、それ以降本編には登場しない。


HP  100   MP 20  攻撃力  150  防御力  70  スピード  140

運動能力 150   魔力  50   魔法耐性 50   総合戦闘力  730



・カートック(2話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者。

 旅人風の服装でレイピアを携えた男で、眼鏡をかけている。

 ロジックのウィーナに対する無礼を口頭での注意では制止しきれず、青竜刀を抜いたロジックを押さえにかかる。

 最初はロジックの攻撃を回避していたが、結局は殴り飛ばされて鼻血を出した。

 ラプリンがロジックに対して強烈な肘打ちを浴びせたのを目の当たりにし、眼鏡がずれるほどドン引きした。

 余談だが、ステータス的には魔力に恵まれているのにMPが0で魔法を習得していない。自分の適性を正しく理解できておらず、スキルの伸ばし方を間違ってしまっている。

 意味ありげに名有りで登場したが、第2話のみの登場で、それ以降本編には登場しない。


HP  80   MP  0  攻撃力  100  防御力  50  スピード  120

運動能力 120   魔力 170   魔法耐性 10   総合戦闘力  650



・ラプリン(2話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプのプリーストで、ウィーナに仕える。

 僧侶の姿をした女性の平従者。

 その見た目通り、回復・援護系統の魔法を得意とし、習得スキルの関係上、対悪霊戦闘の適性が高い闘うシスターである。

 ウィーナに気絶させられたロジックを医務室へ運ぶのを進んで引き受ける優しさを持つが、セクハラ行為に対しては、慈愛に満ちた天使の笑顔で容赦ない鉄拳制裁を加える。

 あまり怒らせない方がいいタイプだと思われる。

 意味ありげに名有りで登場したが、第2話のみの登場で、それ以降本編には登場しない。


HP  100   MP  150  攻撃力  60  防御力  100  スピード  60

運動能力  80   魔力 180   魔法耐性 60   総合戦闘力  800



・ショウリー(4~11話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士。

 ウィーナに仕える平従者である。ハチドリ隊の所属。

 詰め所で待機していたところをハチドリが適当に選んできた。

 中国拳法の達人で、ヌンチャクを駆使した技や洗練された体術が武器。

 酒を携え、戦いの最中でも酔っ払っているが、別段酔拳の類を使えるというわけではなく、本当にただ飲んだくれなだけである。

 当然、酒を飲めば飲むほど弱くなっていく。

 自分の声に意思を込めて相手に伝達することができ、奇声しか発しなくても会話が成立するが、感情が高ぶると普通の言葉をしゃべることがある。

 ヘイト・スプリガンを騙まし討ちにする作戦が失敗した際、カッチが盾にされ死んだことで、怒り任せ鎖骨と取っ組み合いを始める。

 結果、もつれ合っているうちに鎖骨の盾にされ、ヘイト・スプリガンの気功波を背後から受け跡形も無く消滅した。


HP  230   MP  0  攻撃力  160  防御力  110  スピード  250

運動能力 170   魔力  20   魔法耐性 100   総合戦闘力  1040



・カッチ(4、6~11話)


 冥界の住人である獣人タイプの戦士。

 ウィーナに仕える平従者である。ハチドリ隊の所属。

 詰め所で待機していたところをハチドリが適当に選んできた。

 小柄で身軽なキツネ型の獣人で、最大の特徴は顔の右半分と右腕が欠けており機械のパーツで補っている点である。

 戦闘時は、義手のワイヤーアームを駆使したトリッキーな戦法を繰り広げる。

 また、右目に高性能なレーダーが内蔵されており、索敵能力が高い。

 回復魔法なども使え、手傷を自分で回復していた。

 まずまずの実力ではあるが、シャドウガーディアンとの戦闘時は窮地に立たされ、恐怖からウィーナに助けを求めた。

 ヘイト・スプリガンを騙まし討ちにする作戦が失敗した際、鎖骨の盾にされ、気功波の直撃を受け爆死。


HP  140   MP  50  攻撃力  110  防御力  80  スピード  110

運動能力 240   魔力  90   魔法耐性 30   総合戦闘力  850



・ゲッケン(17話)


 冥界の住人である昆虫タイプの戦士。シュロン隊の所属。

 ウィーナに仕える平従者で、頭に触覚を生やした昆虫人間である。

 胴体や四肢の要所が鋼鉄のように硬い外骨格で覆われており、視野の広い複眼、さらには背中に羽を持つので、身体的なアドバンテージが高い。

 中級レベルの風属性魔法が使え、指には猛毒を含んだ毒爪を有する。

 外骨格の突起、背中の羽、毒爪などは体の中に収納でき、衣服を着たり日常生活を送る際には全く邪魔にならないようになっている。

 ゲッケンは他の従者と同じように、私物をまとめて逃げようとしていた。

 だが、直属の上司であるシュロンの殺気に感づいて、いてもたってもいられずウィーナを助ける決心をする。

 私物を投げ打ってウィーナを逃がそうとしたが、シュロンの呪術から逃げられるはずもなく、禍々しい術に蝕まれ体がバラバラになってしまった。

 生命力が強い種族のためにそれでも死に切れず、後から現れたロシーボがとどめを刺した。


HP  120   MP  70  攻撃力  80  防御力 190  スピード  150

運動能力 140   魔力  80   魔法耐性 70   総合戦闘力  900



・ビギナズ(21~28、76話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士で、ウィーナに仕えし平従者である。ヴィクト隊所属。

  上司であるヴィクトの評価では「自分より人のためを優先する、本当に真っ直ぐでいい奴」とのことらしい。

 地味で淡白な顔つきの目立たない男で、あまり口数も多くない。

 鎧を装備し、背中には剣と盾を持っており、戦士としてはごく標準的な能力を持っている。

 戦闘員のほとんどがウィーナを見捨てて逃げ去った中で、ヴィクトの呼びかけで職場に残った。

 彼のサポートで委員会へ書状を届けたり、ドライブドラゴンのレンタルをしたりと、雑用係を一手に引き受けて、言われたことを忠実にこなしている。

 その後、時空の塔に向かう作戦に即答で参戦の意思を示し、ウィーナの補佐を命じられたが、ヴィクトの願いにより、ウィーナは危なくなったらビギナズを逃がすことにした。

 故郷に女が待っており、今度結婚する予定。

 ウィーナの計らいによって、上記の死亡フラグを見事回避し戦場から撤退した。


HP  130   MP  0  攻撃力  90  防御力  90  スピード  70

運動能力  70   魔力  40   魔法耐性 60   総合戦闘力  550



・ユーイ(24、61、64~65、69、87、91、96話)


 冥界の住人である妖精タイプの魔術士で、ウィーナに仕える平従者である。

 トンガリ帽子に杖とホウキを持ち、魔女が制服を着たような出で立ちの女。

 栗色のショートヘアは、髪の先端の2、3センチほどの部分が糸でできたガラスのように透き通っており、光の当たり加減で虹色に輝く。

 掃除・炊事・洗濯などなど、日々の暮らしを助ける日常生活魔法の使い手。

 普通の攻撃・補助・回復魔法などは魔法使いの初級者に毛が生えた程度の実力しかない。

 しかし、野営を伴う遠征時などで、仲間の栄養面・衛生面・精神面で貢献できる。

 能天気でおちゃらけた性格だが、ウィーナに対し留守番を引き受ける代わりに次の就職先を紹介させる取り引きを持ちかけるなど、したたかな一面を持つ(リザルト曰く「仕事は滅茶苦茶でもそういうところだけ上手」)。

 時空の塔へ向かうウィーナ達を見送るべく日常生活魔法の奥義を見せたが、それは自らの命を削る禁断魔法であり、勝手に死にかけてしまう。

 おかげでウィーナ達は貴重なエリクサーを一個無駄に使うことになってしまった。

 その後は先述の通り屋敷で留守番をし、屋敷に集まった非番組の食事を作ったりしていた。サクスがウィーナを狙い屋敷に現れた際も戦闘に参加する。ウィーナを間一髪で救ったり、仲間との連携で聖剣ジークの一撃を見舞ったり、果ては退却したサクスを尾行するなど、卓越したホウキのライディングテクニックでアクロバティックな空中戦を披露した。

 仲間が大勢死ぬ中でしぶとく生き残り、同じく生き残ったハッシャーも逃亡してしまったため、結局唯一ウィーナの下に残った平従者となった。余談だが、ウィーナに書いてもらった紹介状は結局自らの手で破り捨てている。


HP  100   MP  170  攻撃力  40  防御力  40  スピード  110

運動能力  50   魔力  220   魔法耐性 160   総合戦闘力  890



・エイカン(38、46、49、51、62話)


 冥界の住人である獣人タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。ハイム隊所属。

 身長が一メートルより少しあるかという小柄な体格。全身が青黒く強張った外皮に覆われており体毛は一本もなく、額には、高く鋭い角が一本生えている。

 平従者の中ではほぼ最強の戦闘能力を持ち、下手な中核従者を上回る。しかし、頭はそれほど良くないので、なかなか部隊を預かる立場に出世できない。

 基本的に武器は選ばず、剣でも斧でも、獲物がなければ素手のままでも、とにかく敵に突撃してがむしゃらに攻撃する。自分の身体能力のみを拠り所とした、洗練された格闘術とは無縁の力押しな戦法が特徴で、応用は全く利かない。

 寡黙で没個性的な人物だが、命令には極めて忠実。一度命令を下せば、力尽きて倒れるまでひたすら戦い続ける蛮勇さを持ち、それは敵にとってはかなり厄介な存在になり得る。

 ハイムの指示により、リレー作戦から身を退いたウィーナの護衛として付き従っていた。サクスがウィーナを狙って屋敷に乗り込んできた際に迎え撃つ。片腕を切断され、もう片方の手を握りつぶされてもなお敵に突撃するという鬼神の如き戦いぶりを見せたが、圧倒的な戦闘能力差の前に敢え無く命を落とす。


HP  250   MP  0  攻撃力  330  防御力  260  スピード  290

運動能力  220   魔力  110   魔法耐性 240   総合戦闘力  1700



・ゴーカク(46~47話)


 冥界の住人である亜人タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。作中では言及されていないが、レンチョー隊の所属。

黒い学生服姿で、ビンの底のような丸眼鏡をかけ、頭に『めざせ冥大!』と書かれたハチマキを締め、人間の尻のような形状に膨れ上がった頭髪のない頭部が印象強いピンク色の肌の男。自称ワルキュリアカンパニー一の頭脳を持つ男。冥大に6浪しているだけあってその知識は相当なもので、彼の毒薬・解毒に関する知識によりバングルゼは一命を取り留めている。

 「~でしゅ」というしゃべり方が特徴で、頭が悪いと感じた人物は「スカトロブレイン」と罵る。

 バングルゼやカネスタと共にファウファーレに復讐すべく委員会に乗り込む。バングルゼが殺されたことを受け、ゴーカクは定規ソードと分度器シールドを装備しファウファーレに勝負を挑むが、この武具は何の役にも立たず、何もできぬまま槍で刺される。ゴーカクは隠し持っていた筋肉増強剤を飲んでパワーアップしたが、図に乗っているうちに槍で喉を貫かれ瞬殺された。


HP  40   MP  20  攻撃力  50  防御力  50  スピード  70

運動能力  20   魔力  50   魔法耐性 80   総合戦闘力  380



・エスト(56話)


 冥界の住人である妖精タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。ハイム隊所属。

 使い古した鎧を着ており、青い瞳を光らせ、エルフのように鋭く長い耳が印象的な赤毛の男。フィーバ・エイカンの他に、もしものときの為にハイムが今までずっと自分の影に潜ませていた人物である。

 リレー作戦最終局面において、傷ついて戦う力の残っていないハイムが最後の力を振り絞ってシャドーボックスから召喚し、エストにバトンを託した。

 エストはイケメンコに決死の突撃を敢行。見事、イケメンコの体にチェンジバトンを繋げることに成功するが、エストはイケメンコの剣で肩口を斬られ、血潮に染まり事切れた。 


HP  190   MP  40  攻撃力 100  防御力  120  スピード 180

運動能力 130   魔力 100   魔法耐性 130   総合戦闘力  990



・キッカイセー(49、52話)


 冥界の住人である魔族タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。

 メイスと盾を装備した鎧姿の男で、肌は赤く、顔の大きな一つ目が特徴。ヘイト・スプリガンの事件発生時は非番だったため、後にウィーナの屋敷に出向き、屋敷の門番をしていた。元同僚のサクスいわく、「門の前で突っ立っているしか能のない男」。

 サクスがウィーナをさらいに屋敷に来た際、メクチェートの張った結界が邪魔で入れないでいるところを、立ち去るように警告していた。しかし、ケニーが別の場所に設置してある精霊石を取りはらったことにより結界は崩壊、キッカイセーはサクスに襲われる。

 怒り狂ったサクスに喉をつかまれ、キッカイセーはサクスに待つよう必死に訴えるが、お構いなしのサクスによって眼球をえぐり出され、左腕をちぎられ、苦痛にのたうち回っているところを闇の波動を食らい消滅するという凄惨な最期を遂げる。


HP  60   MP  20  攻撃力  70  防御力  100  スピード  40

運動能力  50   魔力  40   魔法耐性 60   総合戦闘力  440



・チャピオ(61話)


 冥界の住人である獣人タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。

 ハイエナの獣人で、その脚力から発揮される瞬発力が自慢。思慮が浅く軽挙な面がある。ヘイト・スプリガンの事件発生時に非番だった為に情報の伝達がうまくいっておらず、状況がよく呑み込めていないままウィーナの屋敷に出向いていた。

 そんな折に、強化を施されて遥かにパワーアップした元同僚・サクスがウィーナを狙って屋敷にやってくる。チャピオは門番のキッカイセーが殺されたことを察知したが動じず、数の優勢から余裕の態度を取る。他の仲間と連携して攻撃を仕掛けるが全く通用せず、ここでようやく相手の圧倒的な強さを理解する。危機感を覚えた瞬間に態度を180度転換させて必死の命乞いを行うが、サクスの放ったエターナルフォースブリザード(相手は死ぬ)を食らって瞬殺された。

 戦士としては標準レベルの域を出ないが、剣に魔法をかけて雷の属性を付与するなど、案外テクニカルなこともやってのける。正規戦闘員ではない派遣従者を見下しており、大納言アズキとの仲間意識はなかった。


HP  90   MP  20  攻撃力 100  防御力  30  スピード 160

運動能力 170   魔力  40   魔法耐性 50   総合戦闘力  660



・ワナンバー(61~64話)


 冥界の住人である魔族タイプの魔術士。平従者。

 色白で人相の悪い男。魔法使いらしく、杖を装備している。

 平従者でありながら中級レベルの各種攻撃魔法を使いこなすが、スキルがただ魔法を撃つ為だけに偏向しており、それぞれの魔法が持つ危険性はおろか、魔法使いなら最低限知っておくべき基礎知識すら欠落している。また、魔力の扱いに関しても洗練性の欠片もないため、魔力の消耗が激しい。

 ヘイト・スプリガン事件の際、非番だった部下の一人で、とりあえずウィーナの屋敷で待機していた。サクスが屋敷に乗り込んできた際、戦闘前に興奮して暴走した派遣従者・大納言アズキに意味もなく殴り飛ばされて失神。目が覚めたときはマクシミリアンによって敵の方角へ突き飛ばされて見捨てられた。サクスに迫られるがままに、仲間の内情をあっさりと吐露するが用済みと判断され殺されそうになり、咄嗟の口八丁で嘘を言いまくり命乞いをした。メメントモリ隊が増援に駆けつけた隙をついて魔法で相手の視界を奪い離脱。その後、メメントモリ隊はあっという間に倒されて再び狙われたが、エイカンが駆けつけたのを機に逃亡。

 屋敷の三階まで逃げ、マクシミリアンに自分を見捨てたことをしつこく罵る(尚、ワナンバー自身も直前に仲間のエイカンを見捨てて逃げているが、その点については一切触れていなかった)が、逆ギレされてボコボコに殴られる。そうしている間にマクシミリアンもサクスの魔法を遠隔で食らって爆死する。ワナンバーはその光景に絶叫して屋敷の窓から飛び降りて逃亡を図るが、駆けつけてきたメクチャートとハッシャーと鉢合わせになり、無理矢理屋敷内の戦闘に駆り出された。

 ウィーナがサクスに捕まった際、毒ガスを放射する魔法「デッドリーガス」を唱えウィーナもろとも攻撃するが、サクスには通じず、ウィーナだけが瀕死の重体となった。ワナンバー自身も、自分が出した毒ガスを自分で吸って窮地に陥る。迫るサクスに対して炎の魔法を使おうとしたが、その瞬間にガスに誘爆してしまい、自爆してしまった。散々命乞いをして奇跡的にも一旦は生き延びたが、皮肉にも自らの手で命を失うことになった。


HP  70   MP 160  攻撃力  30  防御力  30  スピード 150

運動能力  40   魔力 200   魔法耐性 90   総合戦闘力  770



・マクシミリアン(61~63話)


 冥界の住人である爬虫類タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。

 鱗に覆われたトカゲ型の種族で槍を武器としている。

 チャピオよりは若干落ち着いているが、粗野で乱暴な面が目立つ男。ヘイト・スプリガン事件のときに非番だった為に、職場の状況がよく分からず、屋敷に集合してウィーナの戻りを待っていた。

 サクスがウィーナを狙って屋敷に乗り込んできた際に、仲間と共に応戦した。次々と仲間が殺されていくのを見て勝ち目がないと判断し、ワナンバーをサクス向けて突き飛ばし、その隙に逃亡した。そして、眠っているウィーナ達を起こして状況を報告した。しかし、その後は恐れから加勢に入るのをためらい、屋敷の三階で待機していた。そのとき殺されたと思っていたワナンバーがやってきて、マクシミリアンに身代わりにされた件を非難するが、逆にマクシミリアンは開き直ってワナンバーを殴り飛ばしている。その途中で、サクスが屋敷一階で唱えた『エターナルフォース内臓エクスプロージョン・ランダム』という理不尽極まりない魔法を受け、体が内部から膨れ上がってしまう。ワナンバーに必死に助けを乞うがどうにもならず、内臓をまき散らして内部爆発して死亡した。


HP  170   MP  50  攻撃力 150  防御力  70  スピード 100

運動能力  80   魔力 150   魔法耐性 150   総合戦闘力  920



・ハッシャー(50、63~67話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士で平従者。

 安物の鎧を装備して、頭にバンダナを巻いた中肉中背の冴えない風貌の男。

 ヘイト・スプリガン事件の際、非番だった戦闘員の一人。

 メクチェートと共に、屋敷に避難させた民間人を冥王軍に引き渡しに行った。その為、サクスによる屋敷襲撃直後の殺戮劇を運よく回避している。

 取り立てて強い戦士ではないが、サクスが一連の戦闘で大ダメージを受けていたのと、死んだメメントモリ隊が装備していた超高級装備・オリハルコンの剣と盾を拾っていたこともあり、ところどころで活躍を見せた。戦闘時は冷静で慎重。基本的には上司の指示を仰いで動こうとするが、咄嗟のときは独自の判断で行動する機転も持ち合わせている。

 サクスとの戦闘では勇敢に戦い、フィーバを盾で守るなどしていた。しかしその後、死んだはずのシュロンが生きていて屋敷をうろついているらしいことを知ると士気が下がってしまい、フィーバの無茶な命令に対し、死ぬのは嫌だと反抗していがみ合いを始めた。

 それでもぎりぎりまでウィーナを助けることを考えていたが、シュロンがハッシャー達の前に現れたことで、恐怖に耐えられず屋敷から逃走してしまった。


HP  50   MP  60  攻撃力 80  防御力  90  スピード 60

運動能力  30   魔力 50   魔法耐性 80   総合戦闘力  500



・サクス(46、52、61~65、68話)


 冥界の住人である魔族タイプの戦士で、ウィーナに仕える平従者である。青い肌と、背中にコウモリのような翼をもつ美男子だが、これは後述する「施術」によって手に入れた姿であり、元々は全く違う容姿だった。

 過去に組織で禁じられている魔界との契約を結んで、パワーアップを図ったことがあり、契約解除の上、減給三ヶ月の処分を受けている。

 以前からウィーナに対して下心を持っておりウィーナを手に入れたいと思っていた。ファウファーレにその願望を利用され、彼女の手駒となる。元々は平従者として標準的な力しか持っていなかったが、ファウファーレがリアルから授かった錬金術を施された結果、強大な力と美しい姿を手に入れた。施術後の戦闘力は施術前の20倍以上であり、戦闘力1700のエイカンを赤子の手をひねるように殺している。

 しかし、ファウファーレの施術の未熟さと、度を超えて強化し過ぎた副作用により、精神は邪悪に染まり歪みきっている。更にはファウファーレより枷として「一定時間おきにファウファーレとキスをしないと体が崩壊する」という制約がかけられており、これによってファウファーレに従わざるを得ない状況と、不要になったらいつでも彼女に切り捨てられる状況を作り出している。

 ファウファーレの命令によって、ウィーナ量産化計画の要となるウィーナをさらうためにウィーナの屋敷に乗り込む。そこで圧倒的な戦闘力で、屋敷にいるウィーナの部下や冥王軍の特務部隊を次々と殺していき、屋敷を血の海にした。

 しかし、戦いの中で、ワナンバーのパーティーアタックでウィーナが死んだ(と思われていた)ことにより精神が完全に崩壊し発狂。ウィーナを屍姦しようとすらしたが、ウィーナの部下達の必死の食い下がりによって長期戦となり、ファウファーレのキスが必要となる時間が来てしまい、屋敷から撤退。委員会本部ファウファーレの元に逃げ帰るが、ウィーナを連れてこれなかったことを知られるやファウファーレに罵倒され足蹴にされ、肉体が崩壊を起こして死亡した。 


(『施術』前の能力)

HP 90  MP 30  攻撃力 70   防御力 80   スピード 40

運動能力 40  魔力 20  魔法耐性 30   総合戦闘力 400


(『施術』後の能力)

HP 1800  MP 1400  攻撃力 800  防御力 550  スピード 800

運動能力 900  魔力 1700  魔法耐性 550   総合戦闘力 8500



・大納言アズキ(61話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士で、他の組織から人材派遣でやってきた非正規雇用の派遣従者。

 ツインテールの髪をした、ゴスロリ衣装の、自身の背丈よりも巨大な大剣を信じられないくらいの細腕で抱える女戦士。

 見た目は幼い少女だが、実年齢35歳の魔法少女。だが魔法は使えない。

 支離滅裂で分裂気味の言動や行動が多く、突然仲間のワンナバーにパンチのラッシュを加えて気絶させるなど、情緒は極めて不安定である。

 サクスがウィーナの屋敷に現れた際、意味不明なことを言いながら興奮し始め、大剣を振り回しながらサクスに攻撃を仕掛けたが、その直後サクスに首を180度ねじられて即死。

 能力値の配分が偏っており、戦闘で活躍できる状況は限定される。


HP  10   MP  0  攻撃力 500  防御力  0  スピード 50

運動能力  60  魔力 0  魔法耐性 0   総合戦闘力  620


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・ピエール(2話)


 ウィーナの屋敷の執事長であり、戦闘要員ではない。

 容姿はタキシードを着た初老の男性。

 ウィーナが組織の経営を外部委託しているプロの経営集団「マネジメントライデン」から派遣されている人物であり、執事としては非常に優秀な能力を持っている。

 ウィーナに長年仕えており、彼女の思考をかなり深く理解している。



・リア(2話)


 ウィーナの屋敷のメイドの一人である若い女性。

 祝賀会でウィーナの着替えを用意していた。

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