やるせなき脱力神 登場人物紹介

伊達サクット

主人公・味方レギュラー

・ウィーナ


 主人公。

 勝利の女神。

 悪霊退治傭兵組織『ワルキュリア・カンパニー』代表取締役社長。

 人々の競争心が生み出した神で、もともと天界に住んでいた。

 下界のとある国の民達に勝利と敗北を振る分けることにより、社会の調和を維持することを使命とする。

 しかし、直接下界の民に加担する(握力大魔王を倒した)という禁止行為を犯したため、罰として冥界に落とされてしまった。

 それからは方針を変え、自らの能力を生かし、悔いと恨みを残して成仏できない霊魂を穏やかな眠りにつかせる仕事を始めた。

 女神の割には俗っぽい性格で、金、地位などに対する欲が強い。

 到来したチャンスをモノにする行動力、手持ちのカードを切るタイミングを見極める戦略眼、窮地に陥っても正常な判断力を維持する冷静さなどは、勝利の女神に相応しい力量を有している。

 しかし、自らの適当さやそそっかしさが招く単純ミスが原因で、自ら育んだ勝利の芽を自分で摘み取ってしまう場面が多々見られ、実際のところ勝負強さという点においては精彩を欠く。

 戦いの際は剣を取り、女騎士を思わせる風貌で出陣する。

 本来は天界でも指折りの戦神で、滅茶苦茶な強さを誇っていたのだが、下界の変遷により人々の信仰を失い、現在進行形でどんどん弱体化が進んでいる。

 おかげで、最近商売あがったりだと嘆いている。

 戦いの最中、ヘイト・スプリガンの呪いを受けてまさかの一頭身になってしまったが、持ち前の順応力ですぐに馴染んだ。


趣味:一人旅、ギャンブル、ピアノ、合コン、お菓子作り、ぬいぐるみ作り

NG:煙草、潮の臭い、冥王、会社の経営


(本来の能力/1~2、73~最終話)

HP 3000  MP 2400  攻撃力 7700  防御力 6500  スピード 7200

運動能力 6200  魔力 7000  魔法耐性 5000  総合戦闘力 45000


(力を失った後の能力/3~14、33~73話)

HP  220  MP  100  攻撃力  210  防御力  140  スピード  170

運動能力  90  魔力  20  魔法耐性  50  総合戦闘力  1000


(一頭身/14~32話)

HP  100  MP  0  攻撃力  50  防御力  20  スピード  30

運動能力  10  魔力  0  魔法耐性  20  総合戦闘力  230


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・シュロン(13~15、17~20、50~51、67、69~72、74、77~78、83話)


 妖魔タイプの冥界人で、ウィーナに仕える幹部従者。

 魔法を得意とする者が多く集まり、高度かつ専門的な魔法が要求されるタイプの依頼が回ってくることが多く、シュロンのワンマンチームであるが故に最も損耗率が低い通称「オアシス部隊」シュロン隊の隊長。

 強大な魔力を持ち、数多くの呪術を操る天才的な呪術師である。

 長い金髪の美しい容姿を持った女性だが、意図的に前髪を長くし、地味な服装に身を包んでいる。

 上品かつ清楚で、冷静な態度をとっているが、実際はかなり感情的でヒステリックな性格。

 ウィーナを女神として崇拝していたが、ウィーナが力を失うと、自分がその存在に成り代わろうとする歪んだ欲望も胸の内に持ち合わせていた。

 普段はヒューマンタイプの容姿をしているが、それは周囲を欺くための仮の姿(後述する禁呪で肉体が変貌する前の容姿)。その正体は、六本の腕を持つ美しき女性の上半身と巨大な蛇の下半身を持つ半人半蛇の異形の姿。上半身の部分だけでも一般的な冥界人の成人男性の身長と同等かそれ以上の巨体であり、長い蛇の尻尾はウィーナの屋敷の大階段をすっかり埋め尽くすほど。

 この姿は、自らが崇拝するウィーナの領域に近づこうという歪んだ狂信によって力を欲し、太古に封印された禁呪に手を染めたが、その禁呪の解読が不完全だった影響で彼女の肉体に不可逆な異形変化をきたしてしまったものである。解読に失敗した副作用でこの姿になった当初は、二度と元の姿に戻れないことと、これまでとは違い過ぎる身体の感覚・感触に絶望し、禁断の呪法手を染めたことを後悔した。しかし現在ではそれも精神的に克服し、寧ろこの姿をすっかり気に入ってしまい、自宅に帰ってはこの姿に戻り、毎日欠かさず鱗の手入れをしているほど。

 変身後は魔力が飛躍的に向上するだけでなく、物理的パワーも圧倒的なものとなり、純粋な戦闘能力はウィーナの部下全員の中では最も高い。

 周囲には趣味を隠している隠れオタクで、コミケに向けて同人誌を執筆したりしている。

 一頭身になったウィーナを見て、あまり一般的なジャンルとは言えない「一頭身萌え」に目覚めてしまった。

 ウィーナが力を失ったことで、禁呪で異形の姿に変わり果てた自分が梯子を外されたと思うようになり、自らの信仰が揺らぎ始め、ついにはウィーナに対して反逆する。

 ウィーナに対して牙をむき、ゲッケンを殺した後、ロシーボ、ニチカゲ、ヴィクトを魔力で圧倒するが、ヴィクトの策略にはまり、ロシーボの不意打ちを受けて倒れる。

 それでもまだ生きており、息絶え絶えにロシーボに迫るが、それを見て気が動転したロシーボに滅多刺しにされる。

 死亡したかに思われたが、実は強靭な生命力によって生きており、ワルキュリア・カンパニー残党とサクスの戦いの後に息を吹き返す。


趣味:呪術研究、イラスト、同人活動、エステサロン

NG:真の姿を気持ち悪いと言われる事、デリカシーの無い奴


(変身前)

 HP  230  MP  670  攻撃力  50  防御力  190  スピード  350

運動能力  130  魔力  940  魔法耐性 440   総合戦闘力  3000


(変身後)

 HP  8940  MP  990  攻撃力  590  防御力  100  スピード  30

運動能力  50  魔力  3900  魔法耐性 4400   総合戦闘力  19000



・ハチドリ(1~16、86、88~89、96話)


 冥界の住人である鳥類タイプの戦士。

 ウィーナに仕える幹部クラスの従者である。

 王侯貴族など、身分の高い者からの依頼を担うことが多く、良質な客層かつ低難度高報酬の旨味のある優良案件をウィーナから多く回してもらっているハチドリ隊の隊長。

 任務の際にウィーナが同行させることが多く、彼女の肩が定位置となっている。

 従者の中では格式の高い名家の出身。

 そのため、冥王周辺の人物とコネクションを持っていたりするので、冥界でウィーナが顔を利かせるのに重宝している。

 大空を自由に飛ぶことができ、体そのものが小さいため、伝令や隠密活動などが得意である。

 反面、体の小ささが仇となり、物理的な理由により実務能力は低い。

 そのうえ、わざわざ戦力的に期待できないスライムを仲間にして作戦の失敗を招く遠因を作ったり、ウィーナが隠したがっていることを空気を読まずにベラベラ話す、ウィーナに「巻き添えを食らわないよう離れていろ」と指示されたにも関わらず様子を見ようと接近してダメージを負うなど、お世辞にも有能とは言えない場面も度々見られる。

 戦闘では、目にもとまらぬスピードで敵を翻弄し、鋼鉄のように硬いクチバシで敵を貫く。

 必殺技は高熱のレーザーで敵を焼き尽くす「蒸発熱線」と、冥界を一周する程の加速をつけ、自分でもコントロール不可能な程のエネルギーで体当たりをぶちかます「限界爆裂推進烈波」。

 事なかれ主義かつドライな性格。

 事務的な忠誠かつ、主君であるウィーナと適度に距離を置こうとする姿勢が却って彼女に好まれている節がある。

 ヘイト・スプリガンとの戦いから撤退した後、時空の塔に向かうことになった際、ウィーナに対して見切りをつけ、他の従者達と同じように離反してしまった。

 その後、最終決戦の場に、実に70話ぶりに姿を現し、ウィーナ達に加勢する。


趣味:陶芸、骨董品収集、サンダーファイヤー富松

NG:他人から当てにされる事、上流階級のしがらみ、焼き鳥


 HP  250  MP  150  攻撃力  370  防御力  200  スピード  800

運動能力  700  魔力  240  魔法耐性 190   総合戦闘力  2900



・ジョブゼ(13~15、51、66、70~73、84、87、89~90、96話)


 冥界の住人である亜人タイプの戦士で、ウィーナに仕える幹部従者。

 多くの犠牲が予想される強力な悪霊や、誰も行きたがらないような僻地の任務を多く引き受ける、キツめで人事異動の際にはあまり人気のないジョブゼ隊の隊長。

 青をメインカラーとした鎧と兜を装備しており、右手に剣、左手に手斧を持つという、独特のスタイルを採る。

 目の血走った悪人面という外見通りに好戦的な男で、残虐で血なまぐさいやり方にも何らためらいを持たず、細かい理屈は抜きにして戦闘行為を楽しんでいる。

 その分、剣技など、接近戦での戦闘技術は最高ランクであり、目の前の敵を次々となぎ伏せていく攻撃力の高さを持つ。

 死に対する恐怖心を根本的に持ち合わせていないようで、戦いにおいては、自分より遥かに強いヘイト・スプリガンのような相手でも高笑いしながら突撃していく。

 シュロンと共に水晶玉でウィーナの戦いの様子を見ており、ショウリーとカッチを身代わりにした鎖骨の首を切り落として報復した。

 その後、悪鬼羅刹のごとき戦いぶりを見せたものの、ヘイト・スプリガンの一撃を受け重傷を負い、傷を癒したら必ず駆けつけるという言葉を残して知り合いの元に身を寄せている。

 処罰覚悟で堂々と身内の報復をしたり、他の従者が去っても離反しないところを見ると、案外仲間意識は強いのかもしれない。

 傷を癒しウィーナと合流する途中で、レディコマンドーに命を狙われるチューリーを助けに入り、そのままチューリーを逃がしてレディコマンドーと戦う。本来戦闘能力が遥かに高いはずのレディコマンドー相手に、強い者と戦える喜びと相打ちをも厭わぬ気迫も相まって互角以上の戦いを見せる。満身創痍の深手を負いつつも、相手の片腕を切り落として撤退させることに成功する。しかし、その後ジョブゼが見たのは路地裏で青い血を流し冷たくなっていたチューリーであった。

 チューリーを守りつつ行動を共にすることよりも、自らの戦いへの衝動を優先させた自分自身に激しい怒りを覚えたジョブゼは、ウィーナとの合流をあっさり捨てる。彼女の懐にあった魔水晶の針を形見としてもらい受け、野生の獣のような嗅覚と報復への執念のみでチューリーを殺した張本人であるファウファーレに辿りついた。

 ファウファーレの変身の魔法を一発で見抜いたジョブゼは、委員会の手の者に包囲された状況の中で、またしても死をも厭わぬ蜂の一刺しでファウファーレに一矢報いた。

 そして、死を覚悟したとき、戦いの様子をシュロンの魔法で見ていたウィーナの指示により、ウィーナの元へ召喚されることとなった。


趣味:戦闘行為そのもの、球技全般、健康食品

NG:じっとしている事、宗教・思想・神話関係


 HP  530  MP  0  攻撃力  880  防御力  540  スピード  450

運動能力  400  魔力  300  魔法耐性 400   総合戦闘力  3500



・ニチカゲ(18~25、27~28、31~32話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの力士。

 髷、浴衣、草履が良く似合う。

 ウィーナに仕える幹部従者。

 シュロン隊とは対照的に物理攻撃主体の肉体派の戦士が主流で、報酬をあまり期待できない農民や貧困層から依頼される任務を積極的に請け負い、多くの民に感謝されているニチカゲ隊の隊長。

 前述したように、彼は東洋の神秘、「SU・MO」を極めた正真正銘の「RI・KI・SHI」なのである。

 ニチカゲの最大の武器はその脂肪と筋肉の鎧で完成された己の体そのものであり、爆発的な瞬発力と日頃の稽古によって培われたさまざまな技がそれをより完璧なものとする。

 瞬間的なパワーと突撃力は凄まじいが、それに全力をつぎ込むため、戦闘継続時間が短いのが欠点となる。

 その短所は、力の源である「CHA・N・KO」を食べることで補っている。

 豪快で、細かいことにはこだわらないさっぱりとした性格であるが、それが「空気が読めない」と受け取られることもしばしばある。

 親方(ウィーナ)への忠義から、ウィーナにあくまでも付き従い、戦いへ臨む。

 冥界では名の知れた力士であり、リレー作戦においては、新たな仲間を勧誘するという重大な役目を任される。

 懸命な呼びかけの結果、スライム(間接的にグヮンモドキ・サルマタも)、アツアーの協力を得ることに成功し、作戦の遂行に貢献した。

 その後、ミズキやキヌーゴが統率する反乱軍から正規軍が撤退する際、城内でしんがりを務め、敵の猛攻を食い止めつつも瀕死の重傷を負う。

 辛くも本陣の医療所に搬送され、そこで同じく瀕死状態のロシーボを背負ったウィーナと再開する。

 そこでニチカゲは弟分であるロシーボの命を繋ぐべく、彼のメモリーナイフを取ってウィーナの制止も聞かずに切腹した。

 真一文字に腹をかっさばいたことで彼の生命力はメモリーとしてナイフに記録され、ロシーボに新たなパワーを与える鍵となる。


趣味:料理、部下との飲み歩き

NG:他人の陰口、過ぎた事をウジウジ悩む事、夏


HP  1260  MP 100  攻撃力  640  防御力  300  スピード  400

運動能力  210  魔力  100  魔法耐性 400   総合戦闘力  3410



・レンチョー(23~29話)


 冥界の住人である爬虫類タイプの戦士で、ウィーナの(自称)右腕である幹部従者。

 全部隊の中で最も上下関係が厳しく、最も離職率・損耗率・死亡率が高く過酷で、異動希望の際の人気は最も低く、最も任務の達成率が高く、最も多額の利益を上げており、他の隊の同階級と比べて1.3~1.7倍ベースの給料を見込めるレンチョー隊の隊長。

 いやらしい爬虫類顔に七三分けの髪型という見た目通りに胡散臭い男。

 瞳は片方が人間で、もう片方は爬虫類のものを有している。

 仕事においては、とにかく成果と実績を上げることを第一としており、基本的に勝てる勝負しかしない。

 彼の部隊は他よりも依頼の達成率が群を抜いて高く、顧客からは絶対の信頼を勝ち取っていた。

 しかし、能力が低かったり、ミスをおかしたりする者には仕事を全く振らなかったり、戦闘で捨て駒にする等、容赦の無い態度をとるため部下からは恐怖の対象になっていた。

 冷酷非情で尊大、嗜虐的かつ残忍、また病的な陰湿さと執念深さを持つ人物。

 勝利のためならどんな卑劣な手段でも平気で使う上に、仲間の犠牲に対しても全く気にかけない。

 リレー作戦において、ウィーナ達の会議を「自分が真に仕えるべき主君か試した」と称して盗み聞きし、邪魔者を排除する役目を申し出た。

 作戦が始まると、協力を申し出た援軍に対して戦闘をふっかけ全く歯が立たず吹き飛ばされる。

 しかもその援軍を人質にとり無駄に消耗させ、挙句の果てに「馬鹿め、そんな作戦俺には関係ない!」と平然と口走り、死んだヴィクトを無能となじった。

 結局は終始一貫して、勝利の女神の右腕を名乗る者とは到底思えぬ醜態を晒している。

 その後の戦闘で、アツアーの攻撃を受け全裸にされ、恐怖に駆られ逃走するが、ミズキの追撃を受けて蜂の巣にされ死亡。

 ウィーナを含めたその場にいる全ての人物が、彼の死に対して何等反応を示さなかった。


趣味:ギター、ダーツ、ビリヤード

NG:残業、使えない部下、綺麗事、ポジティブな奴


HP  330  MP 270  攻撃力  290  防御力  390  スピード  460

運動能力  350  魔力  290  魔法耐性 420   総合戦闘力  2800



・ヴィクト(20~26話)


 冥界の住人である魔族タイプの戦士で、ウィーナに仕える幹部従者である。

 ワルキュリア・カンパニー内最大規模で、人事異動の際には毎回異動希望者が殺到し、できるだけ多くの者の希望を叶えようとして人数が多くなりがちだがそれでも高倍率のヴィクト隊の隊長。

 また、冥界民間軍事契約組織調整委員会のメンバーを務めている。

 青い肌に銀髪の容姿を持つ青年で、鎧の上から羽織ったコートが特徴的。

 元は、冥界でも屈指の名家の出であるが、政争に破れた派閥に属していたため、今ではすっかり没落した貧乏貴族である。

 剣の腕は一流で、相手の技を受け流すかのような軽やかな剣さばきが特徴。

 剣術のみならず、魔法など全ての能力が高レベルでバランス良くまとまっているため、あらゆる戦況に対応できる。

 しかし、悪く言えば突出した長所が無い。

 職場の中で参謀的な位置づけにあり、シュロンとの戦いにおいて、『わざと丸腰で魔法の勝負を誘う → 破邪の魔法を攻撃魔法に偽装 → さらに不意打をし、ロシーボが正気に戻ったというのはハッタリだと思い込ませる → 煙で敵の視界を奪った上でロシーボにメモを渡す → 怯える演技を見せながらロシーボに合図し、全力の一撃を決めさせる』という作戦を、壁越しの音を聞いただけで即座に考案した頭脳を持つ。

 各分野における学力も極めて高く、知識・知略を兼ね備えた貴重な人材である。

 素直で誠実な性格で、常識と礼節を重んじるが、その人柄ゆえか他人に甘過ぎる傾向がある。

 必殺技は、己の闘志を剣に注ぎ込み、一刀両断の一太刀を放つ「ソウル&ソード」(本編未使用)。

 自らの提唱したリレー作戦において、時空の塔を上る一番手を買って出たが、1階でミズキが召還したファイティング蜘蛛お化けと遭遇し、あっけなく死亡した。

 たが、彼がいち早く委員会に送った書状がきっかけで、ヘイト・スプリガンが冥王になった際に冥界の傭兵組織が迅速に作戦行動を展開できたなど、死後に彼の策が実を結ぶ場面も見られた。


趣味:読書、演劇鑑賞、レアアイテム収集

NG:ピアス・タトゥー・アクセサリー類、感情論、基礎鍛錬や勉強を怠ける事


HP  400  MP 330  攻撃力  470  防御力  470  スピード  440

運動能力  500  魔力  370  魔法耐性 220   総合戦闘力  3200



・ハイム(35、38~41、49、53~54、56~58、69、71~72、87、91、96話)


 元は魔界の住人であるアンデッドタイプの戦士で、ウィーナに仕える幹部従者。

 一芸に長けていたり、特殊な技能・能力を持つ者が多く集まり、特殊な任務を担うことが多い、少数精鋭かつ秘密主義な特務部隊的性格を持つハイム隊の隊長。

 明るい茶色の長髪を後ろで結い、漆黒の忍者装束に身を包んだ女性である。

 魔界の最高位のヴァンパイアの王女として生まれたが、「魔界のヴァンパイアを全て滅ぼす」と予言されたため、すぐ殺されそうになる。

 しかし、生みの母親によって魔界の忍びの里へ送り込まれ、世間の目から隠されつつ、くの一として育てられた。

 ハイムは予言通り、自らの一族を含めたヴァンパイアを滅ぼし、ヴァンパイアが魔界に巻き起こしていた、永遠に続くとも思われた戦争を終結させる。

 その後、ハイムは自らの呪われた運命を断ち切るため、たまたま魔界に出張に来ていたウィーナに出会い、彼女の手引きにより冥界へ導かれ、冥王アメリカーンにより寿命と老化を持つ肉体を与えられた。

 ウィーナの下では、彼女の影となって仕え、諜報活動や潜入捜査、果ては暗殺等の汚れ仕事もこなしている。

 ヘイト・スプリガンの騒乱の最中、ウィーナの愛剣である聖剣ジークを探し出す密命を果たし、ウィーナと数年ぶりに再開した。

 そしてウィーナを城下町へ撤退するよう説得し、自らはリレー作戦を引き継いでいる。

 戦闘においては、両手に持った二本の短刀をメインに、様々な忍術を駆使する他、闇属性の魔法も使いこなす。

 課せられた任務をこなすことに凝り固まったプロフェッショナルで私情は一切挟まないが、普段の生活においては、明るく活発なムードメーカー的存在であり、その壮絶な生い立ちや任務遂行への冷徹さは全く感じられない。


趣味:俳句、舞踊

NG:聖水、同族、ルールを破る事


HP  280  MP 270  攻撃力  410  防御力  230  スピード  620

運動能力  850  魔力  400  魔法耐性 260   総合戦闘力  3320



・ロシーボ(17~35、38、40~41、49、55~58、71、73、84、87、91~92話)


 冥界の住人である精霊タイプの戦士。

 ウィーナに仕える幹部従者であり、よくこんな奴が幹部になれたと思われる人物。

 弱い悪霊や魔物が相手の低報酬なミッション、また他の隊のサポート任務がほとんどで、組織内で最も多くの赤字を計上しており、比較的才気に恵まれていない二~三流の凡庸又は無能寄りの人材が回される、明らかに出世ルートからは外れた立ち位置にあるロシーボ隊の隊長。

 単純な戦闘能力は幹部の中でも最低であり、戦闘要員にも関わらず、戦術・武術・魔術に関しては全くの無知である。

 そのうえ、小柄な体格に、やる気の無さそうな飄々とした風貌が頼りなさを見る人に与える。

 しかし、金属に宿りし精霊の一族で、命を持たぬ物に宿った記録を引き出す特殊な力がある。

 また、異世界の技術である科学の知識に秀でており、独自開発したアイテムを使い、他の人物では真似できないような活躍をときたま見せたりする。

 非力な自分を見栄と虚勢で塗り固めたお調子者で、テンションが高いときと低いときの差が非常に激しい。

 物の記録を引き出したり、未知なる道具の開発など、自分の没頭する分野に関しては高い集中力や創造力を発揮する一方で、注意力、学習能力、危険予測力、問題解決力が著しく低いという致命的な欠点があり、意思も薄弱である。

 ウィーナがシュロンに襲われていた際、怖くて物陰に隠れていたが、先にウィーナを守っていたゲッケンを見殺しにてしまった罪悪感から姿を現し戦闘に参加した。

 この行動には、自分だけ助かろうとする心の弱さと、その弱さを払いのけるだけの彼の正義感、他人への優しさが表れている。

 シュロンを倒した後も、ウィーナと行動を共にしており、時として奇跡的な力を見せるメモリーナイフに助けられながら何とか戦っている。

 同じ幹部従者であるニチカゲを兄貴分のように慕っており、彼がロシーボを助けて死んだ際は人目もはばからず泣き崩れた。

 「よりにもよってよりにもよるとは!」「俺は必ず負けねぇ!」「お前の誕生日は前回が最後だああああっ!」「片腹どころか両腹痛い」等、常人の言語感覚からピントがずれた、『ロシーボ節』とも言える台詞回しが特徴。


趣味:機械いじり、ゲームプログラミング、実験・発明、布団にくるまって妄想の世界に入り込む

NG:人の趣味をとやかく言う事、運動、物に八つ当たりする人、体育会系のノリ、整理整頓、恋愛関係の話題


HP  70  MP  0  攻撃力  10  防御力  20  スピード  100

運動能力  50  魔力  0  魔法耐性 50   総合戦闘力  300


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・ウォーン(49、53~54、56~58、69~73、84、87~90、96話)


 天界人。ウィーナの実の弟であり、ウィーナにとって唯一の肉親。「神」に準ずる「神族」であり、最上位の神兵である。

 黒髪の少年の容姿で、顔立ちは姉のウィーナによく似ている。

 天界の命により、時空の塔の中で下界に繋がる扉の番人をしていた。

 そして、その扉の繋がる先である、かつてウィーナが握力大魔王より救ったディログ大陸のメルール王国の監視もしているが、イケメンコとメルーリアによって国の民が永遠の夢の中に管理されている現状を、どうにもできず心苦しい思いをしていた。

 時空の塔を登ってきたハイムをメルール王国に案内し、共にイケメンコ、メルーリアの説得に当たったが、話は決裂して戦うしかなくなった際、なんだかんだでハイムに加勢する。

 リレー作戦の後はハイムと共にウィーナに合流し、最終決戦にも途中から参戦し、死闘を繰り広げながら混迷する状況の解説役を担った。

 真面目で礼儀正しい性格だが、57話では、死の淵にあったハイムとロシーボの会話の際に敵であるメルーリアに対して会話イベントが終わるまで待っていてほしいと頼み込むなど、少々メタなネタ行動もやってのける。

 ハイムとは旧知の仲で、過去にはヴァンパイアであるハイムに対し、自らの血をよく提供していたらしい。

 なお、最上位の神兵だけあって、単純な戦闘力はワルキュリア・カンパニーの幹部従者を軽く凌ぐ。物語中盤~終盤にかけてのレギュラーキャラとなり、ウィーナ陣営の貴重な戦力となった。


HP 1000  MP 600  攻撃力 1600  防御力 1700  スピード 1400

運動能力 1200  魔力 1500  魔法耐性 1600   総合戦闘力 10600

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