古代中国らしいメンタリティが味わえる武狭テイストの短編小説

「列女伝が読みたい! だけど、紙媒体しかなくて残念……」と思っている時に、本作に出会いました。
この作品の主人公である『趙娥』の名前を列女伝を調べてる時にチラリと耳にしまして、本作に興味を持ったわけです。
なので、列女伝に趙娥の話があるかは知りません。ゴメンナサイ。

本作がどんな話かというと、
簡単に言えば『父の仇討をする女性』の話です。

日本でも時代劇ドラマなら見かける習慣です。
でも、今は時代劇ドラマ自体が少ないので、仇討なんてピンと来ない人も多いかもしれません。でも、どうもこの小説で描かれる時代の人にとって『殺された家族の敵討ちはやるべき大事なこと』だったみたいです。
重要ポイントなので、もう一度言いますね。

この小説の世界観では『殺された家族の敵討ちはやるべき大事なこと』だったんです。

下手をしたら、自分の今後の人生よりも大事と思う人がいるくらい大事。
上記を頭に入れて読むと、より深くこの物語を知れると思います。
主人公の父を殺害した人物が「敵討ちされるかも?」と心配する描写とか。これを理解していると「心配して当然だな」って思えるはず。

本作は古代中国人のメンタリティーを知るのに一役買ってくれる良作だと思います。
武狭っぽさもあるので。武狭小説が好きな人にもおススメ☆

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