第19話 再び孤児院へ

「おーユーキじゃねーか」

「あーシルト先生、お久しぶりですね」

「お前が折ってくれた剣直らないじゃねーかよ、全く。あれ気にいってたんだぞ」


足を引きずりながら近づいて来た先生、やっぱり生活しづらいのかな。


「パーフェクトヒール」

「へっ、おまっ なんて高位のヒールを。そんなんもん神官長でもできるか怪しいぞ…おお、普通に歩ける…。」

「剣のお詫びです」

「ばっか過剰だよ…いくら払えばいい?正直相場分からんぞ‥金ならそれなりにあるから気にすんな」

「じゃー1000金貨で…てのは冗談で、…んー‥そうだ。これから暇なら一緒に孤児院に行きませんか?」

「暇だぞ、でも孤児院に何の用だ?」

「内緒です…シルト先生にはこのお礼として、時々おみやげ持って孤児院に行ってあげてください、武術の先生が行けばいい刺激になりそうですし子供達にとって」

「…わかった、しかしお前いくつだよ本当に…。なんか何も考えずに生きてる俺が恥ずかしくなってくるわ」

「ぼく王族になっちゃったんですよね、養子ですけど。なのでこれからはあまり孤児院に肩入れできないのでお願いします」

「わかった任せろ、マリサにも声掛けとくぜ」

「お願いします」


「あーユーキにーちゃんだー」

「ユーキくんいらっしゃいー」

「「「いらっしゃーい」」」

「久しぶりね元気にしてたユーキくん」

「久しぶりですエメリア院長」


「今日はお話があって来ました、皆さん最後まで聞いてから質問してくださいね。

では屋台を出します、作りながら説明しますね。まず子供達に屋台を経営して貰います、これが各制服です。作るものはこれから作るハンバーガーとフライドポテトと果実水です。売上は商業ギルドに30%ぼくに20%残り50%が皆さんの取り分です。

当面の材料費は後で支払います無償で。軌道に乗ったら取り分から出してください。

もう話は通してありますのでご安心ください、ギルドにも国にも。勿論拒否可能です

…ではこれがハンバーガーとフライドポテトと果実水です、食べながら質問あればどうぞ」


「何から何までありがとうユーキくん、皆さん?これは大事なお仕事の話です、これを受ければ責任を負いますが、孤児院の金銭的には非常に助かりますし飢えもしのげます、皆さんどうしますか?」

「先生、これ受ければ先生は楽になるの?」

「勿論、うまく行けばもう1人先生を雇う事もできます」

「やるー」

「ぼくもー」

「シーナもやる」

「ん、やる」

「じゃーやりたい人、手を挙げて」

「「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」」」

「ふふ、全員ね。ありがとうみんな」

「こんなに美味しいの絶対売れるよ」

「うん、ユーキくんすごい」

「制服可愛いー、普段から着たいー」

「美味しかったー」


「むー、いい話だ」

「なに泣いてるんですかシルト先生」

「うるさい、こう言うの弱いんだ俺は」

「みんなー、この泣いてる人が学園の先生でシルト先生でーす。武術の先生をしてるから時々教えてくれるってー。これ木剣と木槍に弓、木の短剣10本ずつ置いとくねー」

「ちょっ、いやいいか。たまにはくるからよ、今度は魔法の先生も連れてくるぞー。よし、今から武術の授業だ、みんな好きなの持てー」


後は任せて大丈夫だろ


「院長先生、こっちはハンバーガーとかの作り方、今からレクチャーしますね。それと当面の資金です」

「はい、おねがいしますユーキ先生」


先生は呑み込みも早く覚えるのも早かった。

さて、時間はまだ3時。なにしようかなー前に野球とか競馬が貴族にいいって思ったけど、準備にすごく時間掛かりそうなので断念した、代わりにはテニス。これも男女のお金持ちが避暑地でやってるイメージだし貴族にも向いているだろう。

後は水洗トイレはこの世界にもあったけど、あれが無いんだよねウォシュレット。これも必ずヒットするだろう、あとは金持ちと言えばジャグジーバスか。


そう言えば最近街を歩いていると広場でバンドらしき姿を見かける、まだ正直上手くはないけど‥その内だよね、瓶を用意してチップを入れたらみんな真似してくれた。

もっとこの世界の人に娯楽を知って貰いたい、働きすぎなんだよこの世界の人。休日とか無いし、この辺りも提案しなければ。これだけ貢献したし少しは言う事を聞いてもらおう。聞いてくれなきゃ国から逃げる。それに休みが多い方が経済は回るとか動画で見たし(鵜呑み)。


庶民の人達にもできる気軽な娯楽も考えないとなー‥まぁテニスはできるだろう、麻雀・将棋・リバーシも問題ない、なんなら手作りできる。

スイーツ専門店とか作れば女子達に受けるだろうしね。


それから僕が書いた小説も読んでくれてる人を見かけた、誰でも読める様に底値にしたしね。売上より布教がしたい、いずれ地球の漫画を模写して売り出したい。

この世界の人が書いた漫画本を是非見たい、その為には漫画をいっぱい模写しないとね。

なんの漫画を模写しよーかなー、やっぱり王道のイヌえもん?、名探偵ロナン?、ツーピースも捨てがたい。製本技術ももっとコスト下げるのも必須だよなー。ネットで検索するか。‥ああ、あと魔石を使った携帯電話も作れるんだけど、作ったら大変なことになるのは分かってるしなーまぁその内つくるか、電波の半径そんなに出せないだろうし。



…とか考えてたらすっかり真っ暗になったよ、たまには城に泊まるか。




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