第65話 機動少年カシュフォーンより「仮)ぼくのかんがえたさいきょうのロボット」

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 プロローグ

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 あの日のことは絶対に忘れない。

 忘れるという言葉が意味を為さないほどの出来事。

 出来事ではなく、ボクの人生の中に必然だったこと。



 居るはずの両親、居るはずの工場の社員のおじさんたちがいない。

 アルミの扉をくぐり、ネジが転がるうすみどりの床、いつも回ってるはずの工場の機械の音がしない。

 工場の奥にある電話を置いた事務机の上と、引き出しの中、足元の小さな金庫、それらはすべてこじあけられてぐちゃぐちゃに中身を荒らされていた。


 どろぼう?

 けいさつ?

 みんな、は?

 かあさん、は?

 とうさん、は?



 何をしなきゃいけないか、胸がいっぱいになって、目の前がぐるぐるしかけたとき、大きな手が左肩に乗った。でも、誰の手でもなかった。


「誰」

「○○君だね、もう、大丈夫だよ」


 何が大丈夫なのか、聞こうとすると、その「大きな手の人」は、とんでもないことを言った。


「○○が、○○で、○○なんだ。でも、もう、君は保護するからね。大丈夫だよ」


 頭で言葉が受け入れられない。

 いまこの手は、何を言いながらボクの肩を揺らす?


「だから、○○君は……」







「うがあああーーっー!」






 ボクが、後にも先にも、声じゃない声で喉をつぶすほど叫んだのは、この時だけだった。





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 8二「飛車」

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 水間家の地下倉庫は、カシヒトのメンテナンスルームでもあり、かれが居ない時間帯は、両親と椿井たちがオンラインでブリーフィングをする場所でもある。(※ここ場面設定またかんがえる)

「そしてこのところのネットオークションの動きですが……さっきの話を詳しく」

 椿井はリモートでカメラをにらむ。話を向けられたのは、三ノ宮だ。んあ、と声をひっくり返す。

「ひあ、はい! それがでですね、こちらのサイトなんですが」

 舌をかみながら三ノ宮は資料ファイルを流す。水間 識人ひろとと水間 花那子かなこはちらりと画面に目を遣る。

「最近人気がでてきているサイトで、基本的に宝石、石関係を扱っているんですが、銅板、石板もあり……出品予測AIを走らせていたらヒットしました、」

 画面がオークション出品のそれに切り替わる。海外資本のサイトで説明文はすべて英語だが、文中のボールド(太字)に目が止まる。

【CODENAME 82 HISYA】

 出品物画像は将棋の駒のような五角形を成していない。それが割れたというような形でもなく、サイズはおおよそ五センチ四方、そんな巨大な将棋の駒も土産品にはあるかもしれないが。

「8二の飛車に値する位置の【永遠銀盤】」

 会議の参加者がそう考えて妥当だと感じるには十分だった。


「それで、手に入れられたんですか?」

 識人は三ノ宮に聞く。【永遠銀盤】は、かの『財団』などに奪われる前に、手を尽くして集めなければならない。しかし、三ノ宮は申し訳なさそうに頭を垂れた。

「それがかなりの高レートの暗号資産で即決されちゃいまして……」

 椿井は音声をミュートしていたが、いかにもため息をついている表情だった。

「最近このパターンが多いような気がします、同じユーザが、かなり鍛えたAIで絶えずサーチしている感じ」

 花那子は出品サーチAIや、暗号資産のチェックアウトログからも落札者の手がかりがつかめるのでは、と助言した。




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ふと思い付いて書いたけど続くかは謎。

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MISAKIWORLD なみかわ @mediakisslab

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