第7話 詩「おぼろなるはるの」

その日、花は死にました


-----------いちめんの雪景色


手のひらにふれたそばから 離れてく 雪の羽音


なにもおこらない一日が

     実は いちばん かけがえのない時間でした



ふれることもゆるされず 離れてく 雪の花びら



その日、夢は死にました


-----------雨もなく風もなく

-----------夜もなく朝もなく



雨にされた 灰色の鳥の羽


音もなく。かぜ まる。

写真ポラロイドに 一瞬で灰に凍って


時間は止まりました---------------

風は死にました---------------





                    (H18.4.19)



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