第3話 初めて美玖と分かち合ったラノベ

今だから考えるが.....美玖は少なくともエロエロになる様な子じゃ無かった。

簡単に言ってしまうと、だ。

何故なら美玖はそんな隙が無かったから、だ。

だから俺は逆にエロいのが心配になっているのだが。

今現在の俺は部屋でラノベを読んでいた。


「.....」


横の部屋。

丁度.....美玖の部屋だが.....アイツ何しているんだろうな。

結局大福食って満足して去って行ったが。

何か.....その。


あんなにエロいと逆に本当に気になるんだが。

AVとか出てないよな?

エロイプとか。

SNSの出会いとか。

勘弁してくれよあの年齢で、だ。


「.....全くな」


考えながら俺はスマホを見つめる。

そこには美穂からメッセージが入っていた。

ヤッホー。大福の事。義妹ちゃん喜んでくれた?、的な感じで、だ。

俺は、ああ、と返事をする。

それから、有難うな美穂、とメッセージを送った。


(こっちの台詞だよ。.....頑張ってね。美玖ちゃんと接触する事。応援しているから)


(まあアイツは暫くは出て来ないだろうけど.....有難うな。一歩でも踏み出せたら幸せだ。お前とかに支えられて.....俺は)


(弥太郎君も心配していると思うからね。気を付けて)


(.....まあな)


俺は笑みを溢す。

杉山弥太郎(すぎやまやたろう)。

俺の友人の男友達だ。

幼馴染の1人と言える。

同級生である。


それは美穂と同じ様な、だ。

つまり簡単に言えば俺達は3人で1つなのだ。

考えながら.....俺は、美穂。お前の存在も助けになっているから、と打つ。


(私は助けになるでしょう?だって.....私は裕太郎の幼馴染だもん)


(何で上から目線なんだよ.....)


(当たり前じゃ無いのぉ。だって私は幼馴染だもん)


(回答になって無いです。同じだよ)


あれ?まあそうだね、とメッセージを送ってくる美穂。

コイツアホだ。

考えながら俺は苦笑いを浮かべつつ.....メッセージを読む。


すると、ねえねえ。弥太郎君と一緒にまた遊びに行って良い?、と言われた。

俺は青ざめる。

そして返事に迷ったが.....。


(まあ大丈夫だとは思うが)


(まあって何?)


(気にすんな。すまん)


(うーん?)


まあ良いけど、とメッセージ。

俺はそのメッセージに、すまん、と返事する。

その時だった。

ドアがギィッと開く。

そして.....美玖が顔を見せた。


「お兄ちゃん」


「うあ!?ビックリした!?お前なんだよ!?」


「ラノベ貸して~」


「.....は!?」


俺は目を丸くしてから美玖を見る。

そんな接触は初めて.....え!!!!?ラノベ!?

ラノベ読む様な奴じゃ無かっただろ!

俺は愕然としながら見ていると。


「何してるの?貸してよ」


「いや。お前.....教科書しか読まない女の子だったろ。それは有り得ない」


「そんな昔の事覚えて無いよ?今は〇ナニーぐらいしか趣味が無いし」


「コラァ!!!!!言うな!!!!!」


「何?淫〇とかセック〇とか〇行言うぐらい良いでしょ」


良くねぇよ!!!!!

コイツなんだよマジに!?

変態すぎるんだが!!!!!


勘弁してくれ!

考えながら俺は美玖を見つめる。

美玖は棚を見た。


「あ。ラノベ沢山♪」


「.....変わったなお前」


「うん。変わったよ。伊達眼鏡もしなくなったし」


「.....そういやそうだな。外したのか?」


「うん。あれは.....私にとってはマイナスすぎるから」


俺はフッと昔の事を思い出す。

それは.....何故伊達眼鏡をし始めたのか引き籠る前に聞いた事だ。

そしてその時はこう答えた。

冷たく言い放つ様に、だ。

不愉快そうに。


『駄目なのですか?』


と一言だけ。

それから2か月経ってからコイツは引き籠ったのだ。

何がコイツをここまで変えたのか分からない。

だけど.....今は優しい感じにはなったな。


「エッチなラノベは?」


「無いわそんなん。いい加減に.....」


「そんな訳無いでしょ。お股広げた女の人が沢山有る画像を持っている癖に」


「喧嘩売っているのかお前は!!!!!何で知ってんだ!!!!!」


「何?陰〇が生えた女の人が好きなの?私もチ.....」


「お前もう喋るな!!!!!」


むー、と頬を膨らませる美玖。

それからズボンに手を掛け.....え?

何してんだコイツは!

直ぐに慌てて止める。


「〇毛が好きなんでしょ?私ちょこっとだけも生えてるよ。そこだけなら見る?」


「お前.....他の男にしてないよな?こんなの」


「してないよ?仮にもオナ〇ーのおかずはお兄ちゃんだけだし」


「.....?!」


だからお兄ちゃんだけだしね。

と笑顔を見せる美玖。

相変わらずの満面の笑顔を、だ。


俺は真っ赤に赤面しながら顔を背けた。

それはエロいから恥ずかしいとかじゃない。

何だか急に恥ずかしくなった。


「あー。お兄ちゃん童〇だったね。まあ私も処〇だけど。アハハ。似た者同士だねぇ」


「煩いなお前.....帰れよもう。エッチすぎるんだよ」


「嫌。.....序でに言うならお兄ちゃんって性癖が特殊だね。アハハ」


「.....それ以上言ったら帰らせるぞお前。貸さない」


「それは困るね。じゃあ止めとく」


この淫〇のビ〇チに何を貸せば良いのか。

考えながら俺は棚に有るラノベを見る。

それからハッとしてそれを取った。

それは.....。


「.....懐かしいラノベだね」


「.....お前と初めて分かち合ったラノベだ」


「.....じゃあそれ貸して」


「はいよ」


タイトルは、空へ、という{そらき}さんという方が描いたラノベ。

これは胸の大きな女性の出るとかそんなエッチなラノベじゃない。

そして単純。


女性と男性の恋愛ものだ。

だけど.....これは〇乱〇ッチと初めて分かち合ったラノベなのだ。

一緒に読んだラノベだ。

ムッとする美玖。


「.....お兄ちゃん。失礼な事を考えているでしょ」


「.....何でもない。.....懐かしいな」


「.....だね。確かに。.....じゃあこれ読むね」


「はいよ。借りたら返せよ」


そして美玖は去った。

噂によればそらきさんは.....そうだな。

幼馴染と結婚して幸せに生活していると聞くが。

俺は.....懐かしく思い出しながら。

そのまま椅子に再び腰掛けた。

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