第2話 幼馴染と花束と

この街は簡単に言うとそんなに都会では無い。

そして田舎でも無いが.....中途半端だ。

つまり簡単に言えば半分田舎なのだ。


その為、コンビニの数は少ない感じだ。

無論、ス○バとかタピオカも無い。

有るのは公民館ぐらいである。


そしてミニス○ップが遠いな.....と思う。

考えながら俺は義妹から逃れる様に走って来た。

それからコンビニに入る。

すると、おや?、と声がした。


「どうしたんだい?そんな冷めた顔して」


「お前は相変わらず婆さんみたいだな。美穂」


「ば.....ヒッドイねぇ.....これでも最先端を行ってんだよ?私」


遠山美穂(とおやまみほ)。

俺の幼馴染の女の子。

16歳、同い年。

このコンビニでアルバイトをしている。

顔立ちは日焼けしていて八重歯が特徴的で.....何というか。

身長伸びたなコイツ。

肩を露出している服を好む。


のだが.....中身はお婆さんの様な感じである。

喋り方も、だ。

俺は溜息を吐いて苦笑しながら.....美穂を見る。

美穂はぷんすかの感じであった。


「もー。何時も何時も失礼だよ?君」


「いや、だってそうだろ」


「あのねぇ.....」


「.....まあそれは良いんだけど何かお勧めのお菓子有るか?」


いや。それは良いけど、じゃないよ?、と美穂は怒る。

だけど直ぐに、そうだねぇ、と言いながら歩いてお菓子コーナーに向かう。

良い奴だ、と思う。


美穂は、だ。

あんなに冷たく義妹が接したのに、だ。

考えながら.....俺は少しだけ複雑な顔をしながら美穂を見る。

美穂はニコニコしながら俺を見てきた。


「ピエールエ〇メはどうかな」


「馬鹿じゃねぇのかお前は。買える訳ねぇだろ。たっかいんだよ」


「酷いなぁ。じゃあどういうのご所望なの?」


「.....まあ簡単に言えば和菓子な」


「君は和菓子食べないよねぇ。じゃあ義妹ちゃん.....え?元気なのぉ?」


元気っちゃ元気だな。

少なくとも俺の部屋でエッチな事をするぐらいに活発だ。

性欲は満タンだ。

俺は苦笑いを浮かべて顔を引き攣らせながら。

首を振った。


「和菓子を買っていくんだねぇ。じゃあ大福かなぁ?」


「そういうこったな。アイツの大好物だし」


「義妹ちゃん.....少しだけ怖かったけど.....今はどうなんだろうねぇ」


「.....ど、どうなんだろうな」


少なくともあんなにエッチな義妹になっているとは言えない。

思いながら.....俺は和菓子を手に取る。

それから顎に手を添えた。

大福だ。


「ねぇねぇ。もっと買って行ってよ。お菓子だけじゃなくて」


「何を買えと?」


「花束とか要らない?」


「花束?何に使うねん」


「そうだねぇ。贈りたい相手居ないのぉ?」


そうだな。

目の前の少女に贈りたい気はする。

考えつつ俺は花束の置かれている場所に向かい。


そして小さな花束を美穂にお金を渡して購入した。

美穂は毎度あり、と笑顔を見せる。

その光景を見ながら.....美穂に差し出した。

美穂は?を浮かべる。


「.....?.....なぁに?」


「お前に花束」


「.....え.....え!?」


漸く理解した様に。

ど真っ赤になる美穂。

それからこう話し始めた。


関西弁で、だ。

この関西弁は.....美穂の特徴である。

恥ずかしい時によく出る。


「アホ!何で私やねん!?」


「だって感謝のある女の子ってお前しか居ないじゃないか。日頃からの」


「.....そ、そんな事無いやろ!アカン!もうちょっと考えな!」


「考えてもお前しか居ないしよ」


愕然としている美穂にそう言いながら笑みを浮かべる俺。

美穂は震える手で俺に向いてきた。

それから.....花束を受け取る。

そして.....真っ赤なまま俺に向いてくる。

でも有難うな、と言いながら、だ。


「.....もー。でもこんなのは義妹ちゃんにしてよぉ」


「.....お。直ったな。アハハ」


「もー。そんなに揶揄わないでよぉ」


「アハハ」


俺は笑顔になりながら改めて和菓子を買ってから美穂に挨拶した。

それから俺は警戒しながら自宅に帰宅する。

すると.....またとんでもない事になっていた。

それはその、本当に。



俺の部屋でずっと待っていた様にニヤッとする美玖。

それから俺を見てきた。

赤面しながら艶めかしく、である。

そしてこう言った。


「お兄ちゃん。バ〇ブ買って」


「.....お前マジに頭おかしいってばよ.....」


「そうだね。オ〇ホでも良いよ」


「お前!!!!!」


私は通販が使えないからお兄ちゃんに頼むしか無いの。

だから買ってくれない?、と満面の笑顔で伊達眼鏡を外しながら言う。

マジに頭おかしいコイツ!

俺は和菓子を差し出してから話す。


「これを食ってから考えろ。取り合えず」


「和菓子?有難う。お兄ちゃん」


「お前の変態度に付き合えないぞ俺は」


「.....大丈夫。私これからお兄ちゃんを変態に導くから」


そして美少女は俺を見上げてくる。

クソッタレ。本気でモデルの様な顔をしている癖に.....何でこんなエッチな子に.....な

っちまったんだ。

俺は額に手を添えながら.....和菓子を見ている美玖を見る。

そしてハッとした美玖。


「.....お兄ちゃんが大福を食べさせて」


「.....お前.....」


「指もしっかり舐め舐めしてあげる。そうだね。おちんち.....」


「それ以上言うな!よーし!分かった!やってやるぜ!!!!!」


何時までこんな生活が続くのか.....。

俺の下半身が本格的にエクスプロージョンするってばよ.....。

本気で困るんだが。

考えながら俺は目の前の180度性格が逆になってしまった美玖を見る。

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