リズベット

プリントを後ろに回して!!

リズベット

私は拳を掲げる。


だけどその拳には私の意思は込められていない。


目の前に転がる沢山の屍達が私に求めたのだ。


奴らと戦うことをもとめたのだ。


魔法を使えるものと使えないもの。


世界は一瞬にして2分されてしまった。


そしてその差はあまりにも残酷な格差を産んだ。


使えるものは使えないものを人とも思わず、やりたい放題。


そんな運命は私の村にも降りかかる。


目の前で死んでいく私の家族、友人燃えてゆく思い出達。


切り裂かれ、弄ばれ、殺される。


私の全てを奴らは笑いながら奪っていった。



私の心に確かに憎しみが産まれた瞬間であった。


そんな時彼女に出会った。


美しく聡明な彼女。


彼女は私に言った


「奴らを穿つ可能性が欲しいか?」


私は拳を掲げる。


そこに私の意思はない。


しかしその拳が奴らの血で染まっているのなら、意思なんてもうどうでもいい。

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