第6話姉には手を焼く

翌日、俺は昼食のおかずの支度に手間が掛からないもので遅めの起床だった。

さすがにこの歳で姉と寝るのは恥ずかしいこともあり、別々に寝た。

自室から姉のスマホの着信音が鳴り続いている。

一時間半もだ。

姉の寝起きの悪さには涼梨も引けをとらないとさえ思える。

姉と同じ屋根の下で暮らしていたときは毎度彼女を起こさなければなかったから手を焼いたものだ。

当時の面倒が再来したとため息が漏れる。


朝食の支度に持っていく弁当の盛り付け、ダンスのレッスンの支度と諸々こなさなければならないことがあるのだ。


姉を起こすのは後まわし、と言いたいが食器を洗わず帰宅してからは面倒だ。

合間を縫い、姉を叩き起こすことにした。


普段の姉をファンが知れば、間違いなく離れるだろう。何割かのファンは。


普段より15分早くマンションを出て、登校する俺。


高校が近付き、背後からおはようと挨拶をして追い越していく女子生徒らに挨拶を返す俺。


普段と変わらない日常が今日も過ぎていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

必要不可欠であり、嫌いなあいつ 闇野ゆかい @kouyann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ