ただ前を走っていた

のか

ただ前を走っていた


過去の自分は


こんなに悩んでいなかっただろう


君を掴むのに必死で


笑顔で走り続けた


真っ赤に燃える炎の月を


見ながら


それに君を重ねて


1人でも寂しくなかった


君がいたから


はじけるように


ただ前を行あるき


自分を支え立っていた


なのに


その線路はいつの間にか


途中で


消えてなくなった


手を伸ばしても


届かない


あるいは


手を伸ばすことすら


なくなっていた


そんな悪夢から


目を覚ましたとき


目の前で嘲笑われて


どうせまた魘うなされて落ちるんだ


“普通”のどん底へ

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ただ前を走っていた のか @LIPLIPYuziroFan

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