第9話 えっ?!無いの!?

「あら、お帰り」

「ただいま」

「お、お邪魔します」


リンちゃんの家に付き入るとミーさんが出迎えてくれた


「何よその挨拶は、リンの彼氏だったらもっとシャキっとしないとついて行けないわよ「いやいや、ロベル君なら付いてこれるよ」

「いやいや、リン、この前もあの木と健人さんをもやs」


ブクブクブク


「あらっ、ごめんね、風呂が出来たみたいなの、ちょっと止めてくるね」


そう言い残しミーさんは上がった............


うん、ちょっとだけまってくれ、続き何?メッチャ気になるんだけど!?


そもそも旦那さんを抱えながら俺達より断然早く家に付いてない?


筋力と耐久力化け物過ぎん?この村だとこれが普通なの?


「ごめんね、騒がしい親で」


靴と剣を取ったリンが話して来た、戦士っぽさが抜けて今は普通の子供にしか見えん.........ホンマに24歳なん?


「嫌良いよ、これぐらい明るい方が喋りやすいし助かってる所もあるし」

「一理あるね」

「.........」



えっ、そこで会話切る?俺そんなに会話出来んよ ......


あっ、ヤバい...


「ご、ごめん、トイレ何処にあるか教えてくれる?」


うん、人生最大の大チャンスを逃させた便意、死ね!普通に死ね!


「トイレ.........?何それ?」

「えっ、いやいや、トイレってあれだよ.......」


さあ、戻って来ました!俺ちんです!

どうするロベル、トイレの説明を会ってから一時間弱も経ってないの美女にすると言う訳の分からないこの状況!


そもそも、それ以前にトイレを知らない生物がこの世にいた事に動揺すべきかもしれないですね


「体から要らないものを出す為の場所だよ」


おお!華麗に交わしたぞ、これは伝わるでしょうか!?


「ああ、そういう事ね、じゃあ森に穴を掘ってすれば良いよ、直ぐにマグラが来て消すから」


おお!伝わりました!まだ意味不明ですがロベルに戻ります。



うーん、ナニイッテルノ、空耳がしたみたいだけど、そもそも今の解説何?誰が喋っとったの?


「マジで?!家でしないの?!」

「えっ?汚いし臭くなるじゃん」


うん、これは俺の言い方が悪かった、ちょっと引いてるし


どうすれば伝わるかな?実は俺トイレを人に伝えるの下手なんだよね...........逆に上手い人が居たらそれはそれで凄いけど、


あっ、そうだ


「じゃあ絵を描いて説明するね、紙は?」

「神?」

「うん、何でも無い、外に行こうか」


紙も無いと。


そう言って外に出て土に絵を書き始めた


一時間後、村長の家


「では皆さん、大体想像は出来ましたか?」

「ああ、こんな方法が有ったとは、村の発明家達もびっくりだ、お願いだ作らせてくれ!」


そう言いながら村長は顔を ズイッ! と近づけて来た


「も、もちろん良いですよ、ですから少し離れて下さい!」


そう答えると発明家達が質問攻めをしてきた


「だ、誰の提案だねそれは!」

「しょ、初代勇者らしいですよ、日本と言う国の物らしいです」


「に、人間の技術はそれ程も進んでいるのか?」


一人の発明家が恐る恐る質問して来た


そう言われてもなー、正直この村が凄いんだよねー........


まあ適当に答えればいいやろ。


「微妙な所ですね、それは」


そう答えると直ぐに他の発明家が質問して来た、俺ここで何してるの?


最初リンちゃんの家で寝て明日俺の家に行く筈だったのに、


トイレが無いから説明したら村長の家に連れて行かれて急にプレゼンを始めさせられるし


今は発明家にトイレの仕組みを教えてるって言う変な状況になってるし.....


そんな質問攻めは3時間続いた..........リンちゃんには申し訳ないけどもう家で寝る、疲れた。


それにリンとの対戦の時に強化した安眠スキルも役に立つし


◇◇◇◇

翌日の朝


「ロベル君、ロベル君!」

「ん、ふぁー.....誰っ?」


可愛い声で目覚め少し困惑する、クソガキか冷水で起きないのは結構久しいから普通に困惑する


「私だよ、リン」

「ん.....ああ、おはよう」


声の主を見て昨日の出来事を思い出す、


急な決闘、急な彼女、急なトイレの説明.......

何か"急な"が多いな


「わざわざ来てくれたの?」

「うん、ロベル君お、起きるの遅いもん、プイッ!」

「はは.....ちなみに今何時?」

「9時!」

「えっ!もうそんな時間!?」


ぞれは流石にやべえ!急いで起きて朝食.......晩飯?を食べて村の手伝いをしないと!


て言うか俺十時間以上寝てたの!!!


「うん、ひ、日も結構高くなって来ているよ」


ん?日が高い....


「........もしかして朝の9時?」


そう聞くと彼女はキョトンとした表情をした、がその表情も一瞬で爆笑に変わった


「うん.......えっ、もしかして.......ぷっ、ぷぷ」


うん、堪えなくていいよ、その方が恥ずかしい位だよ、笑って良いよ.......


恥ずかしい!クソ恥ずかしい


「よし!仕事仕事!」


そう言い布団から這い出る、昨日服着たまま寝てて良かった、もし全裸で寝てたら.....危ない危ない


「えっ、布団から!は、裸じゃ....」

「ん?何か言った?」

「い、いや、何も..... ......あっ!話変えた!」

「ウッホン、話を反らしてなどはいない」


クソ馬鹿な間違いをしたから誤魔化したわけじゃないよ、本当に違うよ!信じてよ!


「そう言えば昨日トイレを作りに行った発明家達はどうなったの?」

「あっ、そうそう、凱さんが呼んでたよ」


誰?


「その凱さんって誰なの?」

「発明家達の中でもいっちばん凄い人なの!私がちっちゃい頃おもちゃを作ってくれたんだ!」


グフッ!


[ロベルはリンの可愛さで百ダメージを追った、効果は抜群だ!]


「へー、じゃあすぐに向かうよ、ありがとう」


ふー、平常心を保ちながら喋れたぞ!


「分かった、じゃ、じゃあ私は村長の家の前で待ってるよ、じゃあね」


そう言ってリンはあちょっと慌てながら部屋を出た、


どうしてあんなに焦ってたんだろう?


そう思いながら新しい服に着替、軽めな朝ごはんを準備する、


と言ってもパンが無いから昨日貰った果物を食べる、王都では毎日数千ものパンが作られてるのに、ここでパンを作れたらな.......


まあ、小麦粉とか無いから無理だけど


そうこう思いながらも朝食を終え家を飛び出し走って村長の家の前に向かった!


(鍵を掛けてなかったから途中で引き返したのは黙っておこう、うん)

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