第8話 勝ち組ですか?

シュッ、シュッ、シュッ


「残念、それは残像だ!」

「えっ、また!?」

「あっはは..................って、何やっとんねん!!!」


危ない危ない


さっきから何か変な鬼ごっこが続いてるんだけど、正直スゲー面倒い、面倒いんだけど、面倒いんだけど..........これどうしたら良いの?


だって、すぐに現れたり消えたりするもん、目視すら厳しいのに捕まえろなんて....


「おいお主ら、そろそろ終わらんか?儂らは退屈じゃぞ」


あと、横で見てる観客達と村長、さっきから遅いとか暇とか言ってるけど!俺まだ何も理解できてねーからな!


楽しく飯食ってると急に人生掛かった決闘させられるし!


「もう良い、絶対に捕まえてやる!」

「ふん、絶対に私のほうが先だもん」


後ろっ!


「そこっ!!」


ガシ!


「あっ........」


っしゃあああ!何か分からんけど勝った!


「おいっ、何だ今の終わり方、微妙過ぎじゃ、もう一回出来んか?」


うーん、無理、絶対に無理


「いや、良いです、俺結婚したくないんで」


「そうか.....」


「じゃあ、俺一旦帰ります」


うん、新しい家に行こう、そして始めよう引きこもり生活!


そう言ったでかい夢を持ちここから逃げ.......席を外そうとしたらミーさんに腕を"ガシ"って掴まれた、


ちょっぴり痛い...........うん、嘘だ、クソ痛い!もしかしてゴリラ?ゴリラなの!?


「あら、ロベル君、どこに行くの?」

「家ですけど?」

「リンちゃんと付き合ってるのに?家に来ないの?」


うーん、この目見たら分かるよ、絶対に断れないやつだよね、旦那さんも何故か横で気を失ってるし


て言うか何言ってんの?


「付き合ってま.......」


あー、うん.........思い出したわ、結婚はしないけどまだ付き合わないといけないんだ........はー、何で嫌がってるんだ俺?


"チラッ" とミーさんを見る、まだ死の眼差しを向けて来ている、今まであった敵の中でもトップレベルの威嚇だ


「は、はい、きゅ、急に彼女の家にいきたい気持ちになりましたのでお邪魔させてもらいます」



「あら、分かったわ、ご飯は........もう食べたから要らないね」

「あっ、はい」

「じゃあ十分後に家で会いましょう、私は夫を持ってくるから、貴方はリンと一緒に帰りなさい」


おおっと!またまた発動ミーさんの死の眼差し!どう対応するロベル!!!


「あっ、あのー.....」

「ン」


返事を仕掛けたものミーさんに止められた、もう何も出来ないぞ、さあどうするロベル!!


「わ、分かりました」


おっと、ロベルが折れてしまいました、まあ当たり前の結果ですよね、ロベルVSミー、勝者ミー選手


◇◇◇◇◇

5分後


「へー、テレポートって言うんだそのスキル、キリッ!」

「うん、そうなのよ!テヘッ!」


よし、練習終わり、次は本当に会いに行くぞ!


そう言ってリンの方に向かう、


何故5分も掛かったのかって?


彼女、いや、それ以前にクソビッチと家族以外の女子と喋った事が無いなからだよ!男も少ないけど!


それなのに急にメッチャかわいい彼女って........ハードル上げすぎじゃね?


と思いながらもリンのところに向かう、

目が合う、

よし、練習通り挨拶をするぞ!


「やあ、俺、ロ」

「あっ、私、リ」


うーん、何で俺喋ったんだ?


「「あっ!........」」

「どうぞ、お先に」

「いやいやいや、そっちが先にどうぞ」


うん、何か恥ずい、これ道で譲り合ったらどっちも同じとこ通るやつだ


「じゃあ、俺から、名めえはロベル、25歳でズキルは荷物待ち、以上」


うん、何でこんなに噛むんだ俺、何だよ名めえって!


「へ、へー、め、珍しいスキルだね、ヴァたしはリン、24歳でスキルぐうかん魔法」


うん、メッチャ噛んでたからビビったけど大丈夫ぶ、相手もメッチャ噛んでるからオッケー?........


陰キャには見えないけどなー、人見知りなのかな?


金髪でエメラルドの様な色の目、明るい表情と笑顔、かわいい真っ白い犬の耳、背はちよっと低め、かわいいしっぽ、胸もそこそこ.........勝ち組ですか?


俺なんて黒髪、黒目、暗い表情と言われる、背は171センチと普通.........


うん、これ以上は考えるな俺。


「いや、空間魔法の方が凄いよ、さっきのテレポート?も凄かったし」

「て、照れるなー」


おお、かわいい、何か顔を赤くしてるけどそこもまたかわいい、今マジで心に グサッ! って来たんだけど!


っと、平常心、平常心


「そのスキルで家に帰る事は出来るの?」

「うーん、出来るけどさっき連続で使ったから今使ったら死ぬと思う」


うん、危ねーなそのスキル、マジで危ないこの上無いな


「うん、よそうか、絶対によそう!」

「そうだよね、じゃあ歩いて行こう」


そう言って彼女は歩き出した、何か凄い、俺メッチャ緊張してるけど彼女は挨拶以外全て平然にしてたし.........


リア充ってやっぱりしゃべるのに慣れてるなー


リンは俺にに勿体ないと思うんだけどなー、可愛いけど俺より良いスキル持ってる人と一緒の方がいいと思う


◇◇◇

リン視点


うわー!負けた!どうしょう!


うん、一旦落ち着こう、結婚しないけど彼女には成れるから、大丈夫よ、まだ彼と縁を切った訳じゃ無いし、


そう言えば何処にいるのかなー?


そう思い周りを見ると見つかった、お母さんとなにか喋ってる、やっぱり遠くから見てもカッコいい!


って、ダメダメ、ちょっと練習しないと


5分後


「やあリン」

「あっ、ロベル君、好き!」


うーん、何か違う......ド直球過ぎる


あっ!ほら、長い間練習してたらもうこっちに来ちゃったよ、


落ち着いて、私、大丈夫、練習通りすれば行ける


「やあ、俺、ロ」

「あっ、私、リ」


オワタ、被った、穴があったら入りたい


「「あっ!........」」

「どうぞ、お先に」

「いやいやいや、そっちが先にどうぞ」


あー!何で今始めなかったの!せっかく譲ってくれたのに!あたしのバカ!


「じゃあ、俺から、名めえはロベル、25歳でズキルは荷物待ち、以上」


荷物持ちか........聞いたことないから珍しいのかなー?


って、違う!私も挨拶しなきゃ!


「へ、へー、め、珍しいスキルだね、ヴァたしはリン、24歳でスキルぐうかん魔法」


うーん、何ぐうかん魔法って、どうすれば空間魔法がそうなるの?穴どこ?入りたいんだけど


「いや、空間魔法の方が凄いよ、さっきのテレポートも凄かったし」


まって!今褒めてくれたよね?!やったー!


「て、照れるなー」

「そのスキルで家に変える事は出来るの?」


うーん


「うーん、出来るけどさっき連続で使ったから今使ったら死ぬと思う」


このスキル便利だけど危ないんだよね


「うん、よそうか、絶対によそう!」


優しいなロベル君は、私の事考えて........いやまあ生と死の問題だけど、それでも優しいな


「うん、じゃあ歩いて行こう」


そう言っていそいそ歩き出す、もう恥ずかしくて死にそうだし少し急ぐ!


はー、ダメダメね私、ロベル君はすごい喋ってたのに私と言ったら........はー


ロベル君は私に勿体ないのかな?



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