6 アルテミス・ワークス社:Artemis Works Inc.
アルテミス・ワークスは二十年ほど前に
その後、
そんなカドクラ系列オフィス・ビルに、
「そもそも、
普通、
もちろん
それは
「第三派遣事業部、
ツルツルに磨かれた黒い大理石の威圧感のある玄関ホールを歩きながら、受付嬢に社員IDと入館目的をセンサ・ネットで添付送信。
立ち止まることなくエレベーターへ向かう。
街中ならともかく、こんなところに陣笠を被った外套の男が現れたら、即座に不審者として呼び止められそうなものだけれど、誰も気にした様子はない。
同じ東ア社の軍用情報迷彩【
だけど市販のネットリンク・デバイス程度では、注視点からズレた
「十三階、部長室でお待ちです」
そう告げて恭しくお辞儀をする受付嬢を尻目に、
ザっと見ただけで、似たような認識阻害の常駐アプリを展開している
全員、
陣笠を目深に被り直し、エレベーターに乗り込んだ。
ビルの外壁を走る、ガラス張りのエレベーターで十三階へ。
景色が高速で眼下に流れる。見下ろす街並み。だが視線を上げれば、まだ無数のビルが天を突いて伸びていた。
まるでニュートウキョウの縮図のようだと、ぼんやりと想いながらエレベーターを出て、指定された部屋に向かう。
「潜入させてあった
部長室に入ると、通話中だった流行りのラミネート・スーツの男が一人で
普段、通信ウィンドウでは見慣れた顔。
第三派遣事業部、
「時間を改めましょうか?」
部屋は、黒い大理石の床に合わせて
室内の粒子センサ・ネットワーク上に山吹色の波が、脅威度の高いオブジェクトを
引っ掛かったのは机に埋め込まれたハード・ストレージの
目の前に立つ
「いや。いま丁度、別件の打ち合わせが済んだところだ。いいタイミングだよ」
見える範囲に伏兵はなし。
窓はさすがに防弾なようだし、狙撃の心配もない。
「ところで
「どうでしょう? オレは若い頃に
「個人の装備をとやかく言うような部署でもなかったな、ウチは」
「それで、
この
勿体ぶっているわけでもないだろうが、さっさと話しを進めてほしいとばかりに
「昨晩の流星のことは――」
「知っています。すぐに情報封鎖されたようですが」
スピンドル出身の
「……そうか。なら話は早い。このまま
「ええまあ、そのつもりで出てはきましたが」
外套の袖を広げて、仕事着であることを強調する。
「さすがは
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