十五日目の午後 クラスの人気者のヒミツが増えた。

「電話しても出ない、授業はサボる、いい性格してますね」

「えっと…すいません。それとちょっと離れてください…暑い…」

「何ですか?」

「い…いえなんでも…」


 1時間目休み、屋上下の階段。隣にくっついているのは白華。

 俺は今、こっぴどく怒られている。

 しかしぐぅの音も出ないほどの正論を言われてしまってはささやかな抵抗も意味を成さない。


「まったく…先生には具合が悪いので保健室にいると説明しましたが…」

「面目ございません」

「それにしても、ここ。静かでいいですね。1人の時はいつもここに来ていた理由がわかります。」

「え…なぜそれを知っているんだ?」


「ヒ・ミ・ツ・でーすよ♪」

 そういうと彼女は頬に人差し指を当て、笑顔を作った。もともと0に等しかった追撃する勇気とやる気は先ほどまでにもう使い切ってしまった。


 それにしても彼女の無邪気に笑う姿はあざといながら、今までの彼女からは想像しがたく、とても可愛らしかった。


「さ、教室に戻りましょうか。クラスの皆さんにはいいように説明しておきました」


 クラスに戻ると、クラスメイトたちは普段通りの生活を過ごしていた。

さすがに、この空気は異常だ。何かがおかしい。

「白華…一体何をしたんだ…」



「ヒミツです!」


彼女はどうやら秘密主義者らしい。

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