第34話 平日の僕(だれか)の戯言

 答えが無いのは知っている……

 いつもてめぇは曖昧だ……


 小さいころに描いた英雄りそうは余りにも壮大で……

 そんな慣れの果ての平民へいぼんにすら僕は嫌われて……

 それ以下のぼくはいつだって……


 いつしか理想りそうは僕の敵になる……

 そして平凡ひとは僕の壁になる……


 そんな何者にもなれないぼくはただ……

 誰かの描いた世界で……

 ただ……ただ……生き残ろうと……


 懸命に周りに助けを求めながら独りで生きたいと叫んだ……


 支離滅裂……そんな僕の戯言ことばなど誰にも届かなくて……


 そんなだれかの創り出した世界で……


 僕はようやく、酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐き出すやり方を覚えて……

 たったそれだけで世界じんるいに立っているつもりでいた……


 平凡だれにも慣れない僕はいつだって迷子で……


 右も左もわからなくて……

 前と後ろがわからなくて……


 進む道も戻る道もわからなくて……



 それでも、周りには「わかりません」の言葉を言えなくて……

 

 流れる綺麗な音楽さえも……

 ワンワンと鳴く犬の声さえも僕には何も変わらなくて……


 僕はいつだって嘘つきで……

 僕はいつだって……必死だったんだ……


 なりたくないのに……それに近づこうとして……

 成れないのに……理想ぼくになりたいと……願って……


 答えなど無くて……

 いつもそんざいは曖昧で……


 おまえの望む世界すくいなど無いことすら気がつかず……


 僕はただ戯言すくいを求めて……


 救世主はじまりなんて無い……

 勇気おわりなんて無い……


 だから戯言ぼくは成立しない……

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戯言集 Mです。 @Mdesu

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