24話 男に縋る女④
祐希から彩の話を聞いた感想は、最低な人間だなという感想だ。
それについて端的にわかりやすく説明しよう。
彩がキャバクラに入店してすぐに、ボーイの子と付き合い始め、すぐに同棲をしたそうだ。そして彼女は身体の調子が悪いと言って、すぐに働く日数を減らし始めた。
だがボーイの子曰く、彩はいつも家でただゴロゴロしているダメ女だったらしい。
家事もロクにしておらず、家賃や食費もボーイの子がかなり負担をしていたらしい。
それに業を煮やし彩に説教したらキャバクラを辞め、急に実家に帰ると言って出て行ったらしい。
まぁ、そこまでならギリギリいいと思うが、それは嘘だったようだ。
そう彩は実家に帰っておらず、ボーイと別れた後は違う男を捕まえ、また楽して過ごしているらしい。
しかも彼女はそうやって、男を取っ替え引っ替えして生きているのだから、相当な性格をしているだろう。
現に実家に帰ると言っておいて、SNSでは東京で遊んでいるのを平気でアップする、そして祐希や莉奈に当たり前の様に話しかけるのだ。とんでもない神経の持ち主である。
あの中年の彼氏を見る限り、なんとなくだけど金は持ってそうな男性だ。
それに
祐希は以前に彩から友達全然いないと言われたそうだ。
まぁ、自業自得である。
そんな性格の奴に友達なんて出来るわけもない。
祐希は「あいつは平気で嘘をつく。たぶん嘘が当たり前になっていて、なにも悪いこととは思ってないんだよ。そしてそれがバレたら逃げればいい。そういう女なの」と話していた。
それを聞く限り、この祐希と莉奈にとって相性最悪だ。
この2人がそういう人間をとにかく嫌うのは、僕も知っている。
祐希は彩の事を語った後、色々思い返したのだろう。
「ヤバい、なんか急にイライラしてきた」
と、彼氏と楽しそうにはしゃぐ彩を見て呟いた。
「ねぇ、ここ血の海にしていいよね? 別にいいよね?」
「やめとけ。関わるなよ」
僕は祐希をなだめた。
そしてその様子を見て莉奈は少し嬉しそうに、また自分の大好きな愛用キャラと照らし合わせた。
「殺意の波動に目覚めた祐希だ」
それを聞いて僕は「もう、いい加減にしてくれ」そう呟いたのだった。
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