第二節 改造いや創造か

 まず女神レスウィスティーナは、その宙域に存在する全ての文明の時を留め置いた。


 新たな大地を作るためである、ダイソン球の資料には恒星が一つ必要とされる。


 目を付けられてしまったのはまだ若い大型の恒星シリウスAであった。

 シリウスBもあるが小さく力にならないとされ、早々に遺跡の一部となった。


 シリウスAはBを失い正円の軌道になった。

 いわば女神レスウィスティーナはダイソン球のコアを手に入れたのである。



 主星のシリウスAは、太陽の約2倍の質量を持つ恒星である。

 A型恒星系に分類され人類の生存圏は6AU(太陽から地球までの距離を1AUとした時)とされる。


 がそんなことは女神にとってはどうでもよいことであった。

 コアは手に入ったのだ次は大地を作るだけである。


 丁度、存在する今時を留めてある者たちの生活圏ハビタブルゾーンに即した重力と地上を6AUの距離に大地の核となる地殻を作ったのである。それももっとも強靭で耐久性のあったモノファクターと呼ばれる地殻系金属を使って、それも大量に無いものは新たに創造して厚みは女神が中身で恒星間戦争が起きてもが破れない程度に硬くぶ厚く外殻側を二千万キロメートル、内殻側に一千万キロメートルとされたのであったそれだけでも巨大すぎる世界である。


 それに加えモノクロームと呼ばれるモノファクターの百倍は硬いという金属を外殻と内殻の間に五百キロメートルほど仕込んだのである、魔法もかけて。オールドピープルのための大地として。硬いが加工ができないわけではないその大地の中でオールドピープルたちは暮らしていけることができるようになり、女神の信奉者も増え一つの文明となった。所謂元素の生命体たちである。


 しかしさすがに、モノファクターの上に他の生命を降ろすわけにはいかず、内殻側には二千万キロメートルの厚みのある地殻が女神の手により構成された。


 いずれも、元々そこに在った恒星や惑星、ガスジャイアントなどを巧みに利用して内殻は形成されたのである。この為、溶岩やマグマ等は内側には存在する。


 足りていなかった森林や海洋は植樹により生命を生み出し、女神の力を使って新たに海洋は生み出された。土地は高低差が激しくまた大地も半端なく広い大地であったため降ろされた生命たちは互いに争うことなく発展していくのである。

※内殻側:地球の表面積を一とした時に、六百六十二億倍の広さを誇るため、争いなどは起きず広大な大地を分け隔てなく、女神の力によって分割したり、危険地域として女神が設定したりした。このため数十億年は各種族とも争いは起きていなかったのである。


 メガスケールエンジニアリングであると説いても過言ではないであろう。


 これは外殻側も同様であるモノクロームの層と外殻側にもモノファクターで創られた二千万キロメートルの地殻があり、地球の表面積を一とした時に約七百億倍に相当する地殻の層がモノファクターまでの一千万キロメートルを覆っており、その上に大陸や広大な森林地帯、河川や深い海洋、地球とは比肩しがたい厚みの大気層を誇るのである。しかも大気層の外側は宇宙空間であるが、魔法領域によって外界と隔絶された完全な箱庭世界となっている。


 外界と隔絶される前に降った小惑星や、巨大隕石などがあり、そのせいで外殻側はクレーター地形が多く存在する。


 因みに内側に女神レスウィスティーナは弟神であるグランシスディア神を創り内殻の世界を管理させている、他に相談役としてシリウス神も創るなどしているため内殻側の世界はグランシスディア・ワールドの名称で呼ばれ親しまれている。

 グランシスディアの名前を冠する国家も存在する。


 外殻側はレスウィスティーナ・ワールドと呼ばれてはいるが、女神レスウィスティーナが余り干渉しない世界であるため、レスウィスティーナの創りし光の七柱神とそれに歯向かった闇の五柱神が存在し合計十二の神々が存在する世界となっている。

 また、十二柱神は内殻側、外殻側ともに干渉ができ双方に影響する神であることを女神は知っている。


 グランシスディア神もこの光の七柱神の干渉を特に嫌っていないとされる。

 ただし、闇の五柱神はあまりよく思われていないらしく、偶にモロに邪魔が入ったりする。強制干渉というものであるといわれる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る