第2話 天才美少女

どうして校長の話は長いのだろうか。

退屈で仕方ない。

僕は今入学式に参加している。


「はぁ」


自然とため息が口からこぼれた

もうちょっと話を短くしてほしい。


「新入生は退場してください」


終わりのアナウンスが流れた

この後はHRがある

僕は体育館をあとにした。



「僕が1年A組の担当。涼森宏斗だ」


担任の先生はとても眠そうにしている。

これが僕たちの担任か.....


「はーい!先生に質問です!彼女はいます?」

「私も先生に質問です!何歳ですか?」

「独身ですか?」

「どこ生まれですか?」


涼森先生は質問攻めをされていた。

涼森先生は苦笑いしつつ質問に答えていた。



HRが終わり僕達は帰宅となった。

明日テストがあるので勉強をしなければいけない。

なんたってここは進学校。

気を抜いたらとてつもない点数を取ってしまうだろう。

けれど入学した次の日にテストとは正気だろうか。

する必要が分からない。

そんなことを心の中で思いながらも僕は机と向かい合った。



翌日いつもより早めに家を出た。

理由はテスト勉強をしたかったからだ。

家だと寝てしまいそうになってしまう。

僕は1年A組教室へと向かった。

さすがにこの時間なら誰もいないだろうと思いドアを開けた。

俺の目の前には白髪の少女。

”千秋椎名”がいた。


「こんな早くに学校にきて何をするんですか?」


え?いやそれは俺が聞きたいんだけど。

まぁいいや


「テスト勉強をしようと思って」


これが学校で噂になってる美少女。

白髪のロングで眉毛も整っていて鼻も整っている。

初めて近くで見たけれど彼女の顔はそこら辺の女優にも劣っていなかった。


「私の顔になにかついてますか?」


「あ、いや。何もついてないです。」


彼女は視線を机に落とした。

彼女もテスト勉強だろう。ペンを動かしている。

ん?あれ?

ていうか俺の席って千秋さんの隣じゃね?

昨日隣にいたっけ?

記憶にない。いやそもそも隣を見た記憶がない。

けど俺の席は窓側だから間違いないのか。

俺も自席に座り参考書とノートを広げてテスト勉強を始めた。


「…………」

「…………」


どうしてか彼女のことが気になって集中できない。

中々ペンが動かない。

俺は頭を切替えてペンを動かした。




「終わったぁー」


無事にテストは終わった。

今回は少ししか勉強をしていないが大丈夫だろう。


「おつかれー。テストどうだった?」


飛鳥が話しかけてきた。

こいつは頭がいいので問題はないだろう


「まぁとくに問題はなさそう」


「まぁお前中学の時の成績1位だったもんな」


とそんな言葉を飛鳥が口にした時隣の千秋さんがこちらを見たような気がした。


「あれはたまたまだ。」


「うそつけ7教科中683点だっただろ」


そう。俺はこう見えても頭はいい方だ。

けれどそれなりの努力もしていると思う。

前に一日で15時間勉強した事があった。

その日の最後の方は頭が真っ白でペンをひたすら動かしていた記憶がある。


「あれは頑張ったからな」


「中村さんは頭がいいのですか?」


「「うわっ」」


急に隣の千秋さんが話をかけてきたから驚いてしまった。


「?」


千秋さんは首を傾げている。


「中村は頭いいぞ。先生からも沢山褒められてたな」


「そうなんですか」


彼女は驚いたような目でこちらを見てくる。


「そんなに意外でしたか?」


「今日の朝テスト勉強をしていたので全く勉強をしていなかったと思っていました」


まぁ勉強し始めたのは昨日からだけど


「千秋さんは頭はいいのですか?」


「そうですね。悪くはないと思います。けどものすごく良いという訳でもありませんね。」


まぁ進学校に入ってるのだから悪くは無いだろう。


「なぁ悠太、帰りミックよっていかね?」


「いいよ」


俺らは帰りにミクドナルドに寄った。



翌日。

今日はいつも通りの時間に登校した。

朝のHRで担任の涼森先生が


「昨日のテスト採点終わったから返すぞー。順位は昼休みに廊下に貼る」


さすが進学校と言うべきだろうか。

採点が早い。これは有難い。

昼休み俺は颯太と飛鳥と順位を見に行った。


1位は”千秋椎名”と書かれてあった。


ん?あれ?

昨日の出来事がフラッシュバックした。


「そうですね。悪くはないと思います。けどものすごく良いという訳でもありませんね。」


いやめちゃくちゃ頭いいじゃねぇかァァァ

そして2位は”中村悠太”と書いてあった。








































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