第7話 テストの打ち上げ


「しゃーー、テスト終わったー。カンパーイ」

「「「かんぱーい」」」


 今日でテストが全て終わった。

 最終日は昼で終わり採点の為部活もない。

 いつもの4人で昼ごはんを兼ねてファミレスに来ていた。

「これでテストから解放された」

「まだ返ってきてないだろ。落ちてたら夏休み補習だしな」

「それを言うなよ〜」

 机に倒れ込んだ恭弥。その横で角積さんが微笑んでいる。

「大丈夫だよ。夏休みどうせ部活なんだから補習になっても一緒」

「それはそうだけどさ〜」

「まぁ落ちなければ何もないさ」

 俺がみっちりしごいたんだ。それで落ちてたらもう一度しごく。

「夏休みどっか行く?」

「お、それはいいな」

「どこがいいかなぁ〜」

「祭とかは」

「恭くんナイスアイデア」

「だろ〜」

「補習がなければいけるな」

「翔馬それをいうなよ〜」

 恭弥が項垂れてるの楽しいな

「けど祭か〜。ここら辺だと城西の祭か」

「そうだね〜。そこがいいかも」

「じゃあ決まりだね〜」

 この後もだらだらと喋りながら夏休みの計画を決めた。


 その帰り道

「そろそろ夏休みか〜」

「そうだな」

「2人でどっか行く?」

「どっか行く?もなにもどうせ俺を連れ出すだろ」

「連れ出すも何も翔馬の部屋に入り浸るよ」

「左様で」

「けど2人でどっか行くのも良くない?」

「そうだな」

「あ、プールは?私の水着見たくない?」

「......。」

「あれ?聞いてる?」

 完全に頭がストップしていた。

 幼なじみだからこいつの水着姿見たことない訳では無い。

 だが高校に入ってからは見ていない。

 我が七草高校には水泳がないのである。

 どことは言わないが葵はここ2年で成長した。どことは言わないがな。

 そんな子の水着姿だぞ。

 見たくないわけが無い。

 想像までしてしまったし。

 だがここで素直に頷けば俺が葵の水着姿を見たいと思われてしまう。

 それだけはごめんだ。

「あ〜、行きたいなら付き合うぞ」

 ここは葵が行くならついてくというスタンスをとる。

「そっか〜、そんなに私の水着姿見たいのか〜」

「そうは言ってないだろ」

「私を誰だと思ってるの?翔馬と何年一緒にいると思ってるの?」

 幼なじみには考えが筒抜けだったようだ。

「聞いた後に間があったしね〜」

 もう返す言葉もございません。

「で?行きたいの?私の水着姿見たいの?さぁどっち?」

「その選択肢実質1つだろ」

「......。」

「無言の圧力やめろ。...行きたいよ。悪いか」

「フフ、素直でよろしい」

 完全に弄ばれてるな俺。

「あ〜水着買わなきゃだね〜。さすがに中学のは入らないか〜」

「俺も買わなきゃだな」

「じゃあ水着も一緒に買いに行こっか」

「そうだな」

 今年の夏休みは楽しそうだ。

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