ネク・ビエンテ 黒霧の館14


「ねぇ、なんでこんなまどろっこしい感じなの?」


乃愛が面倒くさそうにフォールスに聞く。


ネクに聞くのではなく、フォールスなのはそっちの方が詳しそうだから。


「……この場所は魔術的な仕組みが多い。これらの玉はコアとしての役割を果たしているんだろう」


「つまり?」


「……つまり、………?」


「はぁ、つまり、こんな馬鹿でかい魔術的世界が無人で稼働するには膨大な魔力で支えなきゃならんの。その役割を果たすのが」


そう言って、フォールスの持つ玉を指さす。


「なるほど、でも取っていいの?」


「寧ろ、そうでもしないとこの意味わからん世界に閉じこもったままだろうよ。とか言ってるうちに2つ目着いたな」


最奥と言ってもそれほど距離があるわけでもなく、直ぐにたどり着く。


そこは、全てが霞んで見える。


そこに何かあるように見えるが、何があるか分からない。


1箇所だけに見えても辺り一面が全て霞んで見える。


この場所は精神世界に近い場所。


「吐きそうなんだけど」


魔力の濃度が濃すぎると瘴気にも近い状態になる。乃愛は少しだけ当てられきもちわるそうにしている。

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