ネク・ビエンテ 黒霧の館13


「時に、乃愛。この屋敷未練はあるか?」


「ないわ、地獄みたい」


フォールスは来た道を戻る。


2人も続いて部屋を出る。


「やっぱり、気持ち悪いところよね」


ネクが顔を顰めて呟く。


神殿の様な聖域から1歩外へ出れば、禍々しい空と歪んた建物達。


「で、どうするの?」


「折角だし、あと二つのこの玉を貰った後にあの入口を壊す」


「物騒ね」


腰に手を当てながら乃愛は呆れる。


「それに、あと二つのどっかの部屋にも居るんでしょうね」


ネクは敢えて続く言葉は言わなかった。


2人もその先の言葉は分かっていたから。


ネクは気合いを入れるように、


「よーし!それじゃ、フォールス!続きよ」


「ああ、こっちだ」


フォールスは最奥の歪んだ建物目掛けて歩き出す。


「乃愛は魔法を使えるの?」


ネクが尋ねるように問う。


乃愛は言いにくそうに、


「あなた達が、知ってる乃愛と一緒のことが出来るわ。でも、あの子は独自の進化をしてるかもしれないから、期待はしないでね」


ネクはげんなりした顔で、


「アレと一緒……」


呆然とするのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る