第10話 呪いの鎖 その2

 前回の続きです。


 日本酒入りコップ4個、塩お握り2個の皿4枚、盛り塩4皿、用意を確認してから着席して貰う。

「○○さん、今、龍神様が・・・」

「はい、ですから座ってください。妙(仮名)さんや僕が側に居ると邪魔に成ります」

 盛り塩は深雪(仮名)さんを除く全員が居る部屋の4隅に置いた。

「深雪さん、美咲(仮名)さんの姉妹に何が起こったのか、ご説明します。大元の原因は、ある嫉妬深い霊能力者の妬みからです。双子の美人姉妹に嫉妬して、苦しめてやろうと。所が、その美人姉妹には、妙さんが着けた守り、守護者が居たので簡単には行かない。その霊能力者は・・・」


 パキンッ!

〈礼を言う、若き龍神よ〉

〈礼は要りません、僕は僕の役目を果たしただけです。その分は、ここに居る3人に〉

〈分かった。《礼を言う、人の子よ!!》〉


 窓も閉まっているマンションの室内に清々しい高地の風が吹く。

「〇〇さん、今、何か声が、風が・・・それに貴方の左目、瞳が・・・」

「深雪さんに呪いで縛られていた者が、解放されてお礼を言ったのです。この風は、本来居るべき所へ、近道を開いたからです。この目は、龍神の力を使ったからです」

 妙さんが椅子から降り、床の上に土下座。

「龍神様の使い等とご無礼を申しました。お許し下され、龍神様ご自身とは知らず、お許しを!!」

「修行中の若造ですよ、椅子に座ってください。それに、未だ終わってません。あの霊能力者、今度は僕を利用しよう等と・・・呪い返しを行います」

 目は半眼、両手を合わせて龍神の呪い返し、その間に妙さんが着席。

「こ、これが龍神様の呪い返し・・・」

「呪い返しは終わりました。本来、人間と関わりを持たない、深い森や山岳に居る自然霊・自然神を、霊能力と呪いの鎖で縛り付ける等と、愚か者め!! ・・・失礼しました。誰が美咲さん、深雪さん姉妹を呪ったかは、直ぐに分かります。今日明日にでも、直ぐに」

「わしも初めて見た、龍神様の呪い返し、しかも上限の7倍返し・・・」

「念の為、僕の守りも3人に着けましょう。来い、白蛇。この3人を守れ」


 次回に続く。


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