ゲーマーズライフ

@Ri28

bullets online

 最近、世界で今まで誰も経験したことがないパンデミックが起こり、日本も大きな影響を受けた。様々な業界に深刻な被害を出し、また多くの人が外出を自粛するようになった。そんな中で、家にいながら友人や同僚などと遊ぶことができるオンラインゲームが流行るのはある意味では必然だったのかもしれない。

 "bullets online"このゲームも新型感染症が大流行してからプレイヤーの人口が爆発的に増加したゲームの一つである。5vs5のチーム戦であるこのゲームは、一回の試合に要する時間が30分程度であり気軽にプレイできる点、スキルなどのバランス調整の上手さ、調べれば調べるほど新たな小技などが見つかる点などから、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広い層を虜にした。そのゲームでサービス開始から永遠にトップを走り続けるプレイヤーがいた。数多くの強豪プレイヤーが大会、配信などで露出がある中、彼だけは露出が一切なかった。また彼とマッチングした多くのプレイヤーは彼に手も足も出ずに敗北してしまうため、巷ではランキング一位のプレイヤーはチーターなのではないかなどの憶測が飛び交っていた。しかし、運営からBANされることはなく、いつしか彼はネット上で神と崇められるまでになっていたのだった。



 春。満開の桜に迎えられ、ここ霞高校では新入生の入学式が行われていた。それは俺、新井隼も例外ではない。

 「新入生代表、遠藤紬」

 「はい」

 どこの学校でもある新入生代表の挨拶。たいていは受験の結果が上位だった人から声を掛けられ、承諾した者が行うため、俺みたいなスレスレで合格を勝ち取ったやつには縁のない行為だ。

 「以上、新入生代表、遠藤紬」

 五分ほどで新入生代表、遠藤の挨拶は終わり、残りはあまり、いや全くためにならない校長や教頭からのお話が一時間ほどあった。その後、教室で軽いホームルームがあり、解散となった。陽キャならおそらくここでだれかを誘ってどこか遊びにでも行くのだろうが、あいにく俺にはそんなコミュ力はない。誰かを誘えないなら俺にできることはただ一つ!

 「早く帰ろう」

 俺は孤独に帰路についたのだった。



 学校から俺の家までは自転車で三十分ほどを要する。近いといえば近いのかもしれないが、今まで小学校、中学校と家から徒歩五分のところに通っていた俺からすると、そこそこ長いと感じる距離だった。おまけに中学校では文化部で、さらに普段から運動もしない、体育の成績は常に二の俺は家に着くころには呼吸が乱れ、体力も限界を迎えていた。

 「おかえり、お兄ちゃん」

 玄関の扉を開けると妹の春が 最近、世界で今まで誰も経験したことがないパンデミックが起こり、日本も大きな影響を受けた。様々な業界に深刻な被害を出し、また多くの人が外出を自粛するようになった。そんな中で、家にいながら友人や同僚などと遊ぶことができるオンラインゲームが流行るのはある意味では必然だったのかもしれない。

 "bullets online"このゲームも新型感染症が大流行してからプレイヤーの人口が爆発的に増加したゲームの一つである。5vs5のチーム戦であるこのゲームは、一回の試合に要する時間が30分程度であり気軽にプレイできる点、スキルなどのバランス調整の上手さ、調べれば調べるほど新たな小技などが見つかる点などから、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広い層を虜にした。そのゲームでサービス開始から永遠にトップを走り続けるプレイヤーがいた。数多くの強豪プレイヤーが大会、配信などで露出がある中、彼だけは露出が一切なかった。また彼とマッチングした多くのプレイヤーは彼に手も足も出ずに敗北してしまうため、巷ではランキング一位のプレイヤーはチーターなのではないかなどの憶測が飛び交っていた。しかし、運営からBANされることはなく、いつしか彼はネット上で神と崇められるまでになっていたのだった。



 春。満開の桜に迎えられ、ここ霞高校では新入生の入学式が行われていた。それは俺、新井隼も例外ではない。

 「新入生代表、遠藤紬」

 「はい」

 どこの学校でもある新入生代表の挨拶。たいていは受験の結果が上位だった人から声を掛けられ、承諾した者が行うため、俺みたいなスレスレで合格を勝ち取ったやつには縁のない行為だ。

 「以上、新入生代表、遠藤紬」

 五分ほどで新入生代表、遠藤の挨拶は終わり、残りはあまり、いや全くためにならない校長や教頭からのお話が一時間ほどあった。その後、教室で軽いホームルームがあり、解散となった。陽キャならおそらくここでだれかを誘ってどこか遊びにでも行くのだろうが、あいにく俺にはそんなコミュ力はない。誰かを誘えないなら俺にできることはただ一つ!

 「早く帰ろう」

 俺は孤独に帰路についたのだった。



 学校から俺の家までは自転車で三十分ほどを要する。近いといえば近いのかもしれないが、今まで小学校、中学校と家から徒歩五分のところに通っていた俺からすると、そこそこ長いと感じる距離だった。おまけに中学校では文化部で、さらに普段から運動もしない、体育の成績は常に二の俺は家に着くころには呼吸が乱れ、体力も限界を迎えていた。

 「おかえり、お兄ちゃん」

 玄関の扉を開けると妹の春が俺を迎えてくれた。

 「ただいま、春。迎えてくれるのは嬉しいけど、車いすここまで来るの大変じゃなかったか?」

 春は生まれつき両足がなく、歩くことができないのだ。

 「ううん、全然大丈夫!それよりお兄ちゃん!今日あの新作ゲームやらない?」

 「ああ、そういえば今日発売日だったな。じゃあやるか」

 そういうと春は嬉しそうに微笑んだ。

 「じゃあ先にゲーム部屋に行ってるね」

 手洗いなどをすませ、俺もゲーム部屋に向かう。

 さて今日もゲームをやろうか!

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