第50話白ブチ猫の獲物

50,白ブチ猫の獲物


ビックリしたのは5月21日にドアの前に置かれてあった獲物だった。


これには本当にびっくりした。


なんと白蛇かと思うようなきなり色をした蛇の子供、体長30㎝位だろうか


、くるりととぐろを巻いた状態でこちらを向いていた。


思わずぎょっとして立ちすくんでしまった。


生きているのかしら?


傍にあった傘の先で突いてみる。


動かない。どうやら死んでいるらしい。


おもちゃの蛇でもない。


手でつかむのも嫌なので傘の先でそっと持ち上げ庭の隅に置くと


腹側を見せてひっくり返った状態になった。


裏側も白い。


白蛇なのだろうか。


全くの自然な色、白とは言っても生成りのような色である。


これっていい事の起きる兆しかしらと考えてしまう私であった。


たいした恩も売っていないのに・・・


白ブチの変わったプレゼントはこれだけではなかった。


6月に入ってから近所の猫と喧嘩したらしく前足をけがして帰ってきた。


4,5日所定の場所で静かにしていたと思ったら


急に外へ出せとドアを開けろと催促する。


元気になった証拠と思って外に出した。


丸一日帰って来なかった。


まさか、また居なくなったのかと心配していた矢先、


玄関前にまた、変なものが置いてある。


ネズミかなと思ったが違うようである。


大きさは子ネズミぐらいの大きさ。


手足の先が扇を広げたような形をしている。鼻先も尻尾も違う。


それに何より体の色がネズミに比べたらキレイである。


余り毛が無いのかまるで洗ったような皮膚である。


ドブネズミの汚い色とは比べようもない。


もしかしたらアレかしら。


実物を見るのは生まれて初めてあったがもしかしたら


そうに違いないと思ってしげしげと観察する。


たぶん、モグラであろうと思う。


穴掘りにぴったりの手と足ではないか。


それにしても白ブチ猫は変わったものをプレゼントしてくれる。


今度は何を持ってきてくれるのであろうか。







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