第45話身代わり?

45,身代わり?


この頃になってモモ子の父親犬の具合が悪いと聞いた。


直感するものがあった。


もしかしたら・・・


こんなことは考えたくはなかったが、身代わりになるのではないかと恐れた。


今までに何度となくこういう偶然に出会っていた私は


今度もまた起きるのではと思ってしまった。


母の具合が悪い時、飼っていたオカメインコが若死にした。


祖母が死にそうな時はリスが・・・


彼の具合が悪い時にもゴールデンが早死にした。


ただの偶然が重なっただけかもしれない。


でも,それぞれの動物は皆その直前まで元気であった。


死ぬ理由はなかったのである。


私は飼っていた動物が災難を引き受けてくれたものと思っている。


ただ今回の場合は直接私に関わる事ではなく飼い犬のモモ子の父親であるから


関係ないかも知れない。


ただ、元々はこの家で生まれた犬であったから関係ないとも言えない。


ニャオちゃんも病気している様子もなかった。


事故にでも合わなかったら帰って来るはずである。


帰ってこないとなると変なことを色々と考えてしまう私である。


考え過ぎなのはわかっている。


モモ子の父親犬に肉を持って見舞いに行くがやせ細って見る影もない。


死期の近い事は見てとれる。


数日してニャオちゃんが戻ってきた。


一安心したが同時期に父親犬の死亡の報せがあった。


ニャオちゃんは何事もなかったように今までどおりの生活を続けている。


ニャオちゃんの顔はこのところ穏やかになってきた。


最初会った時は剣のある顔つきをしていたが今は女の子のように優しくなっている。


最近では近所の人に慣れて撫でてもらったりしている。


何という変わりようなのかと思う。



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