第20話 アル アルテイシア姫との別れ

話をしながらお菓子をほおばり 

笑いあう二人に悲しい運命が待っていようなどと知らずに

二人に微笑むエリンシア


「ねえ そろそろ私の事はアルって言って エリンシア姫!」


「わかりましたわ

では 私の事をエリンと呼んでくださいね」ふっふふと笑いエリンシアは言った


バルコニーの窓を開け広げた庭には 青い空と花々に小鳥のさえずり 小さい噴水の水音・・


穏やかで 楽しいひと時を彩っていた


それから1月のち・・白の国の言葉や文字を完璧に習得したアルテイシア姫は

父であるリュース公が待つ 自分の城へと帰っていった


「じゃあ!また また会おうね約束よ エリン!テイ!」


元気よく手を振って 迎えに来たリュース公の部下を伴い

翼竜に乗って帰っていった


見えなくなるまで振り返ったままずっとアルテイシアは手を振っていた


「またねアル!」同じく手を振るテインタル王女 


「お元気で またアル・・アルテイシア姫」エリンシア


それはエリンシアとってアルテイシア姫とは二度と会う事のない約束となる


テインタル王女がアルテイシアと再び再会する日は 

時が流れて美しい娘たちへと成長して 

敵対する二人として剣や魔法を交えての対峙する日の事

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