灰色の大地


 目覚めたら音もない

 見渡す限り 灰色の大地

 ここはきっと何処かの惑星ほし

 一体いつ飛ばされちゃったんだろう


 ああ

 今日はここで過ごすのか

 なんとなくわかった

 何故か絵の具だけ持っていた

 どうすればいいだろう


 浮かばない

 浮かばない

 いろんな色で描きたくても

 気が滅入るよこんな景色

 ため息ばかりが宙を彷徨さまよ



 見上げたときに夜がきた

 みんなキラキラ輝いてる

 どの星も みんなみんな

 羨ましくて涙が出る


 ねえ

 なんで私はここなの

 見渡す限り 灰色の大地

 何もできない砂のような私

 少しは負けん気を見せてみてよ



 今あるものでいいから

 今できることだけでもいいから


 だけど怖くなってしまう

 明日ももしこの惑星ほしだったらと


 明日頑張ればいいって

 明日が見える人の言葉だよ

 自分で輝けるなら私も言うよ



 眠りにつくまで何をしよう

 この灰色の大地で

 せめて何か残したい

 私 ここで生きたよって


 絵の具は諦めて

 指先で描いた

 柔らかな灰色の砂に

 誰か見つけてくれるかな



 いつかここへ飛ばされた誰かも

 生きてくれるといいな

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