第4話 ラスボスとの再会



 うっかりな出会いから半年後。


 ラスボス?

 そういえば、出会ったよね。


 という風に、良い感じに思い出が風化しかけた頃、原作のストーリーが始まった。


 学園でのキャッキャウフフ、恋バナの開始だ。


 婚約者として決まっている正統派少年や、幼馴染キャラ、先輩キャラなどとこれから桃色の生活が始まるのだ。


 と私は、思っていた。


 その時までは、


「君とは婚約破棄だ!」


 あれ?


 ストーリー始まったとたん、婚約破棄されてしまった。


 一体何が?


 入学式の会場で、婚約者がいきなり敵意をぶつけてきたんですけど。


 まったく心当たりがない。


 うつろな心境で、ふらふら歩いていたら、人族に化けていたラスボスが通りかかった。


 そっか、攻略対象だから同じ学校に通ってるんだった。


 あれから色々あったんだろうな。


 ちょっとどうでもいいけど。


 あははははは(泣き)


 婚約の約束をした時の、あの人との思い出、初めて贈り物をした時のあの人のはにかんだ笑顔、転んだ時にかけよってくれた時のあの人の心配そうな顔。


 いろんな思い出が、一度に頭のよみがえった。


「きっ、貴様はあの時の女!」


 だから混乱していたのだろう。

 ラスボスの顔を見た瞬間、私は頭を下げていた。


「お願いします助けて下さい!」

「は?」


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