第8話 ブルート

 君は、火を扱ったことはあるだろう。

 ああ、あれはとても便利だ。

 身体を温めたり、食べ物をおいしくしたり、わたしはどちらも感じられないが、タージュの様子で何となくは分かったよ。

 かつての世界には、そういった資源という便利なもの。つまりは”お宝”がいくつもあったんだ。

 だが、いくつもあったとしても、使えばなくなるのは当然さ。かつての人々は、なぜかそれを考えないようにしていた。

 そしたら、どうなったと思う?

 ほぼ使い切ってしまったんだ。

 まぁ、当然の結果だな。

 だが、人々は使うのをやめるという選択ができなかった。ああ、理解できないだろう?

 その贅沢な気持ちも、未知の大陸に興味が湧いた理由のひとつかもしれないな。

 そして、幸か不幸か。

 かつての人々は、新たな”お宝”を見つけた。

 それは、ブルートだ。

 ビヒモスの流すブルートが、”お宝”だったんだ。

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