恋愛私情最悪

 女にとって恋愛は毒にも薬にもなりえるんだわ。

高校生になって恋をし始めて綺麗になった友達を見て私は思った。似ていた体型は、友達の方がスリムになり、私は少し太った。服装の系統は、友達は入学当初とはだいぶ変わって、スカートを履く確率の方がとても高い。私は周りに合わせて少しお洒落に気を遣っているだけ。友達は髪を伸ばし始めて、より女らしくなった。

「ねぇ、最近彼氏とどうなの?」

 昼休みに、2人でご飯を食べながら私がそういうと、友達は「うーん」とだけ答える。目線はスマートフォンに向けられたままだった。

 一年とちょっと彼氏と続いている友達は、最近また綺麗になっている。彼氏との惚気話は聞かなくなって、愚痴が増えたのに。

「……あー、でも、もしかしたら、別れる。かもね」

「え、そうなの?」

 間を置いて返ってきた、友達の含みのある返事に、私は驚く。

「うん、なんか彼氏、バイトとか家族の愚痴とかさ、暗い話ばっかりだし」

「へぇ、相談乗ってあげた?」

「まぁね、でも何を言っても『だって・でも・どうせ』の3dなんだもん、何も言ってあげる気になれないよね」

 確かに。それはそうだ。こっちはせっかく悩みを聞いて真剣にアドバイスをしているのに、だって・でも・どうせなんて返ってくるだけなら、ゲンナリするのは当たり前よ。

「せっかく長く続いてるのに別れちゃうんだ……?」

「うーん、どうなんだろうね」

 友達の曖昧な答えに、私は少し腹が立っていた。この子はいつだってそうだった。何をするにも、曖昧で、自分の都合が悪くなる時は音信普通になったり、人を余裕で何時間も持たせたりする。実際今もそうだ。父親と喧嘩したからと、ずっと彼氏の家に居候していたと思えば、関係が面倒になった途端、フィリピン人の母親の家へと移っていったのだ。この間行った占い処では、家族との縁が薄いなんて言われていたし、情緒不安定なところも当たっていた。

 どうしようもない。何回も喧嘩をして、何回も縁を切ろうと思って、私が学校から去ろうと考え、自殺してしまおうと泣いたのに。結局一緒にいる時が楽しくて死ねもしないのだ。

 友達は唐揚げを食べている。彼女の食事方法は少し独特で、割り箸を上手く使って唐揚げを解体して食べている、それが一番食べやすいのだと。かぶりつけばいいのに。上品なのか品がないのか、私はその食べ方に疑問だった。

「そっちはどうなの?」

「意外と順調よ。特に変わりなし」

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