5
体育館側の出口。誰もいない。
やっちまった。
俺はボリボリと頭を掻いた。
「やり過ぎ」
美桜は静かに笑った。
もう、その背中に羽もしっぽも何にもなかった。ただの魔女になっていた。
俺も、いつもの来澄凌に戻っていた。
「別に良いだろ。誰も、アレが本物だなんて信じちゃいない」
力なく笑ってやった。
「助けてくれてありがとう。盾になってくれたんだよね」
小さく頷いた。
「誤魔化すどころか、メチャクチャだったけどな」
か細い手が、そっと顔に伸びてきた。そして、フランケンシュタインのボルトのくっついた首に手をかけ、無理やり俺を屈ませる。
「でも、そういうとこが好き」
美桜は俺にそっと唇を重ねてきた。
<終わり>
Enjoy☆Happy Halloween! 天崎 剣 @amasaki_ken
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます