理不尽たるもの

 『理不尽』って襲ってくるんですよ。だからこそ理不尽なわけで。でもそれって結局どうしようもないことだったり、自分で蒔いた種だったり…まあ中身こそ色々あるわけですけど、生きている限り人間はそれから逃げられないわけです。

 なぜこんな書き出しをしたかの詳細は省きますが、今年…特に三月から七月は色々とありすぎて、私という人間そのものが何度も脅かされる事態でした。そうなれば、私から生まれる文学もどきもまた、変化していく…はずで…。

 

 変化はね。してるんです。

 ただね。よくないんですよ。恐らく今は蛹のような変化の狭間なんだろう、と思ってはいますが、単純に言うと書けない。本当に書けない。ここ最近、短編をいくつか書きましたが、アレってこの『物書きの雑記』の中で触れた『翻訳家』である私の書き方じゃないんです。最近のものは、翻訳じゃなくてただの日記に近いんです。何故って今はそれでしか文章が書けないから。…

 さて、つまるところ、翻訳してきた種々の脳内映像が再生されなくなっているんです。すごい!健康になってるかも!やったぜ!!…と冗談は置いておいて。たぶん現実に追い回されすぎて頭がキャパオーバーしてるんだろうなあと勝手に解釈してます。そのうちわらわらと映像がまた湧き出てくるのかもしれないし、もう二度とそういう書き方はできないかもしれない。それはわかりません。辛くはないです。ただ、どこか寂しい。それが今ある本音です。

 

 以前、私は無意識をできるだけ表出させたい、というようなことを書いた記憶がありますが、つまり今はそれができないわけで。それが私にとって何を意味するのかというと、「自分の奥底に触れることができなくなっている」ってことなんです。私にとっては死活問題なんですよ、これ。別にただ生きていくだけならそんなもの触れなくてもいいんですが、私は「生きている以上は奥底に触れなければ、生きている意味がない」と思い続けている人間なので…無論、まだ様々な事態に直面した自分のとった緊急回避的な状態だと言い聞かせてはいますが、正直あまりにも変化が大きすぎて、困惑と寂しさでごった煮です。


 とまあ、そんな現状報告もかねて、久々に『物書きの雑記』として投稿してみようと思い立ち、今に至ります。書いてて思いましたが、たぶん私は書きたいんです。何かをすごく書きたがってる。でも、きっと今はそれが書けないんです。

…だから、こうしてその理由を書いて整理しようとしている。うん。たぶんそう。


 では、またお会いしましょう。理不尽と喪失の彼方で。

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