毒っ気たっぷり、それでいて、人生に必要なエッセンスの詰まった連作短編集

人格統合の末に自死を選んだ少年、自分の国がなくなる瞬間を冷静に見つめる男の子、いないはずの兄に怒声をあびせた高校生……。
それぞれの結末、それぞれの人生が、冷笑的に、あるいは皮肉を含んで毒っ気たっぷりに語られます。そして、それがどのような起点(キーワード)によって巻き起こされていたか、各話の最後に作者からの解説で明らかにされていきます。
読者は冷や水を浴びせられらように、あるいは劇薬を飲まされたように、ハッとした感覚を覚えることでしょう。ですが、それはもう遅いのです。すでに自分の人生が足元からグラグラと崩れていることに気づいてしまうのですから。